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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■争わない役者●「投名状」日本公開
少々前ですが、金城武について、大陸のこんな記事がありました。
映画の中の金城武は、一貫して目の保養役を受け持ってきた。
「赤壁」で、トニー・レオンを圧倒しかねない勢いを見せるとは
誰も思っていなかった。
まるで、中国人男優の筆頭であるトニー・レオンが、
本当に久方ぶりに人に「食われた」かのようである。
「赤壁」で「小喬」が登場すると、いつも色情的な雰囲気に満ちてしまい、
それが人々の周喩に対する評価をどうしても下げてしまう。
そして金城武の重要な共演シーンは
ほとんどがトニー・レオン、チャン・チェンを相手にするものだ。
これは、良い俳優は確かに芝居を引っ張っていくことができる、ということの
いささかの証明になるかもしれない。
ウォン・カーウァイの良い俳優かどうかの評価基準は、「利己的でない」、
演じるとき、人の芝居を食わないことだ。
1人の俳優が不意に手を相手の肩にかけ、毅然として言う。
「君はいつまでも俺の良き兄弟だ」
話が終わっても手をすぐに戻さないので、相手は動きが取れなくなり、
おのずから芝居がその俳優に持っていかれてしまう。
こういう俳優はウォン・カーウァイの眼力を突破することはできない。
だが、その、かくもやすやすと肩を押さえられてしまう俳優の方は?
90年代の中頃、ウォン・カーウァイは、2本しか映画出演経験のない金城武を、
「恋する惑星」のあの若い警官役に起用した。
当時の金城武のあだなは「丸太んぼう」で、カメラの前ではいつもどんくさかった。
ウォン・カーウァイは、結局彼に黙々とパイナップルの缶詰を食べさせた。
世間は彼はボディーランゲージが豊かであると評した。
今日までずっと、金城武が演じた、人々の記憶に残る役は、
大体がシンプルでまっすぐな性格の人物である。
「赤壁」の諸葛亮も実は変わらない。
ジョン・ウーはこの人物をユーモアのある人間と性格付けし、
ハリウッド風の台詞と扇を振るトレードマークの仕草に、
金城武に特有の澄んだ瞳が合わさって、
諸葛亮はたちまち「赤壁」一の人気キャラクターとなった。
金城武が「赤壁」での自分の出番がトニー・レオンより少ないことに
腹を立てたということを言う者もいるが、
ひょっとして彼の仕事への情熱を過大評価してはいないか。
金城武は、「投名状」以前には、
他の主演男優と競い合うような役の作品には出演しようとしなかった。
ピーター・チャンは彼を頷かせるのに、2ヶ月かけなければならなかったのである。
金城武は争いを好まない。
だが、俳優は争わずにいることはできない。
そこで、決まって彼が割を食うことになる。
ピーター・チャンがこう言ったことがある。
「如果・愛」は、本来金城武の演じた林見東が唯一の主役だったのだが、
ジョウ・シュンの演技が出色で、金城武を食ってしまい、主役の1つになってしまったのだと。
「投名状」にいたって、3兄弟が雨の中、初めて朝廷の役人に面会するシーンがある。
ジェット・リーとアンディ・ラウは、それぞれ非常に個性的な台詞を口にする。
が、金城武はおとなしくひざまずいたまま、ぴくりともしない。
我慢できなくなったピーター・チャンが、
何か動くか、台詞を言うか、必ずするように言ったので、
金城武はかすかに膝を動かしたが、
映画を2回見た人でないと、その動きにはあまり気がつかないだろう。
「投名状」のプロモーションの折、
監督が金城武により気を遣っているのがはっきりと感じられたし、
さらに、「アンディ・ラウの出番が削られた」という噂がたびたび流れもしたのである。
そのことから容易に連想させられるのが、「インファナル・アフェア」の頃のことだ。
その頃、アンディ・ラウはまだすっかり演技を認められてはいない時期だった。
当時、彼が編集権を持っていたことから、
彼は「トニー・レオンの出番を減らしたのではないか?」としょっちゅう聞かれたものである。
アンディ・ラウは芸能人生の大半を努力で頑張ってきた。
すべてを人の前にさらけ出し、彼の演技にも取り柄があると、
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08月17日(日)
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