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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■「南方人物周刊2017-4-24」記者の眼
このつかず離れずの関係は、公の人物が公に語るときにはめったに見られない。
公の人間は普通の人よりも、もっと仲の良さを楽しそうに語ったり、
時には友情を誇張したりするものだ。
こういうつかず離れずの表現がされるとすれば、
それは特に親しくはないということを意味する。
しかし、金城武の場合は、彼自身が認めた友人であっても、
このような言い方になる。

2つめの興味深い点は、一緒に仕事をした多くの人が、彼に対し、
端から見てもすぐそれとわかる保護者的気持ちを持っていることである。

例をあげよう。
映画館で金城武が質問に答えているとする。
相変わらず答えるのが下手だ。
すると、ピータ・チャンがすぐに助け舟を出す。
「彼の言葉を翻訳しましょう」
他人に理解されないのが心配なのである。
金城武のスタッフ・チームが彼を守ろうとする感じと、大変良く似ている。

プロデューサーの許月珍はこう話す。
「彼のことを良く知ると、自然と守ろうとするようになるんですよ」
私は頷いた。
なぜなら、数日取材しただけで、その保護しようとする気持ちが
私にも芽生えてしまったからである。

よくよく考えると、43歳の男性なら、
たとえあまりハンサムすぎて宇宙人みたいになっていようと、
人の心に生まれるものは、憧れのような気持であるはずで、
守ろうとする気持ちではないのではないか?

一体その気持ちはどこから来るのだろう?
浅い結論にならざるを得ないが、
彼は一見してデリケートであるが、時代の大きな潮流に抗って流されず、
ただ良い仕事をしたいだけで、
自分について人には一切知られたくないという生き方を貫いている。
ひ弱だが、強靭で、人に尊敬の気持ちを起こさせ、
少しでも助力してやりたいと思わせてしまう。

このような俳優は損をする、とピーター・チャンは話す。
彼は今回金城武に「恋するシェフ〜」への出演を勧めたとき、こう言った。
「やってみてごらんよ。撮影からプロモーションまで。
今の世界がどんなふうなのか、見てみたらいい。
君は気に入らないと思うが、しかし、ぶつかってみてごらん。
世界を変えることができないなら、
その世界と共存することはできないかどうか、見てみたらどうだい?
もう2度とやらないかどうかは、その後で選べばいい」

今回の試みで、金城武が喜びを感じられたのだったらいいと思う。
私たちは、やはりこれからも、
大スクリーンでの彼をたくさん観たいと思うから。
(この項終わり)


   BBS   ネタバレDiary  19:00

06月16日(火)
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