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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■チン・シウトン、「投名状」のアクションを語る●走るウーヤン
ちょうど、有名な話で、鶏の卵を生んだことがなくても、どの卵がうまいかは、
生んだ母鶏よりよくわかる、と言われているように。

「ピーター・チャンはこういう映画は撮ったことがないので、
最初は私も頭が痛かった。
だが、彼は見ればわかるので、アクションに対する要求は高い。
言葉にすることは出来ないかも知れないが、
どれが良くてどれが悪いか示すことができる。
もっといいやり方はないかとね。
そこで私も今までやったことのないことを、ずいぶん試してみたよ」
チン・シウトンは言った。

3兄弟はみな散打を練習

ジェット・リーは世界でもトップのアクション俳優で、実際も武術出身である。
長年のやり方をいきなり捨てて「散打」風に改めさせることは、
アクション監督のチン・シウトンにとってもジェット・リー本人にとっても、
大きな挑戦だった。
「実は3人とも緊張していた。
ジェット・リーはこんな長い間アクション映画をやってきて、
突然ばりばりのリアルさを要求されたんだ。
彼のたくさんのアクション演技はどこへ行ってしまったんだ?
観客も彼のアクションを喜ぶ者が多いから、
型のない闘い方を受け入れられるだろうか?
型がなくてどうやってアクション映画が撮れるんだ?
それが私たちの共通の疑問だった。

幸い、実際にはまず共通認識を持ってから撮影を行なえた。
ジェット・リーもプレッシャーは感じなかった。
というのも、彼はとっくに監督が欲しいものが何かわかっていたからね
――型はないが力強さが欲しいってことだ。
彼自身も、この映画で一歩突き抜けたかったんだ」
とチン・シウトンは語った。

一方、アンディ・ラウと金城武は、もともと武術の基礎はない。
ピーター・チャンはCGや特殊撮影はできるだけ少なくしたがっている。
ならば、彼らのアクションシーンはどう処理したのだろうか?
チン・シウトンの回答は、一番大事なのは安全、というものだった。

「武術のできない俳優を完璧な武功の持ち主に見せるのは、
アクション監督の一番基本的な能力だよ。
アンディ・ラウと金城武は武術俳優の出身ではないが、
この映画のアクションは、実はそれほどのことはない。
たたき切るならたたき切る、ストーリーに従ってやればそれでいい。
アンディ・ラウの方が武侠映画の経験はたぶん多かったから、
もっと適応しやすかったろう。
金城武はアイドルで、文芸映画の方が多い。
だが、彼はとても聡明で、言うとおり、一生懸命やる。
もともと型は要らず、リアルな闘いを追求するので、武術は不要だから、
2人のスタートラインは同じだ。
馬術も金城武の方が弱いが、役柄上、徒歩が多い。彼は非常に足が速いんだよ」
(新浪娯楽 2007.12.6)



●走るウーヤン

アクションシーンにまつわる、こんなエピソードもついでに。

「投名状」では金城武は末の弟役なので、
戦場で敵に向かって突撃して闘う場面が大変多い。
だが、アンディ・ラウやジェット・リーのように、
馬上で雄々しい姿を見せるということはできず、
厚ぼったい鎧を着て走り回らねばならないので、彼を大変やりきれない想いにさせた。
実は、彼は、他の映画でも、いつも走ったり、
追いかけっこをしたりしていることが多いのだ。
「ターンレフト、ターンライト」や「如果・愛(ウィンターソング)」などは、
走っているシーンがたくさんある。
今回の「投名状」もまた例外ではなかった。
そこで、彼はいつも監督に、もう走らなくていいよう懇願し、
あるときなどは、「船に乗るのはどう? その方がまだいいですよ!」と言い出して、
監督をひとしきり笑わせた。

あるシーンなどは、アンディ・ラウもジェット・リーも騎馬で敵と戦うのに、
金城武だけが2本の脚で敵陣に突入しなければならなかった。
2人が馬に乗っているのを見た彼は言った。
「どうしてぼくだけ走るんですか?」
ジェット・リーがこう言ったものだ、
「ぼくら2人は年がいってるからね、君しか走れないのさ!」

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09月19日(日)
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