ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ギリシャ財政破綻の第3のモデルになるか
ギリシャ:国民に渦巻く怒り 「薄給の行員なぜ犠牲に…」
                     2010年5月6日   毎日新聞
ギリシャ:財政危機、世界に波及 景気回復にも影
                     2010年5月6日   毎日新聞

 過去20年内の起こった国家破産はアルゼンチンとロシアである。ギリシャが財政破綻(国家破産)の第3のモデルになる可能性が出て来た。財政危機からの脱却を図る政府の緊縮財政に抗議するゼネストで、3人が死亡する事態に発展している。ユーロが売り込まれて、日本などの株価が急落した。混乱が長引けば、市場での動揺が拡大する気配である。

 ギリシャ議会は6日、財政再建の関連法案を採決する方針で、パパンドレウ首相は「(法案が通らなければ)国が破産するだけだ」と理解を求めている。フランス・ドイツなどの主要国の債権者が、ギリシャ国債の一部を放棄する必要があるとの報道もある。各国の金融機関が3〜5割の債権カットに応じる必要があるようだ。こうなれば国家破産と同じである。

 ギリシャの国債を750億ドル(約7兆円)保有するフランス、450億ドルを保有するドイツなど、欧州の金融機関は大きな打撃を受けることになる。
アジア各国の市場からは「もはやギリシャ一国の問題ではなく、事態収拾のめどが立たない」(ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次氏)との悲鳴が上がっている。
「財政赤字が大きい米英に危機が波及するのが最悪のシナリオ」(アナリスト)も警戒の声が上がる段階なのである。
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20100508

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ギリシャ:国民に渦巻く怒り 「薄給の行員なぜ犠牲に…」
                       2010年5月6日   毎日新聞
 財政危機からの脱却を図る政府の緊縮財政に抗議するゼネストで3人が死亡したギリシャ。ストから一夜明けた6日、ギリシャ発の信用不安は世界を駆けめぐり、ユーロが売り込まれて、日本などの株価が急落した。ギリシャ議会は財政再建関連法案を可決したが、混乱が長引けば、市場で動揺が拡大しかねない。
 「こんな事が起きるなんて、もうここはギリシャじゃない」ーー。デモ隊の一部過激派による放火で行員3人が死亡したアテネ中心街の銀行では6日朝、焼け跡で鑑識作業が続いていた。ビルを取り囲んだアテネ市民は一様に暗い表情で怒りと困惑を口にしていた。当局は同日、市内で厳戒態勢を敷いた。
 銀行正面の事務所で働く労働省職員イレーネ・パパスさん(32)は「私と同じせいぜい月800ユーロ(約9万6000円)ほどの薄給の人がなぜ殺されなくてはならないのか」と沈んだ表情だった。
 死亡したのは妊婦を含む女性2人と男性1人でみな30代。デモに乗じて騒乱を広げる黒覆面の極左勢力への怒りもあるが、パパスさんは社会的・政治的な背景に矛先を向けた。
 ギリシャは戦後政治のトップをパパンドレウ、カラマンリス両家が交互に握り、数十のファミリーが経済的特権を維持してきた。貧富の格差が大きいところに、国民は増税と歳出削減を強いられる。
 財政危機は、昨年10月に就任したパパンドレウ首相がデータを精査して発覚。09年の財政赤字見通しが国内総生産(GDP)比で3.7%から12.7%に跳ね上がった。金融危機後の不況に苦しんできた大半の国民には「寝耳に水」。「国民の多くはなぜこんな事態になったのかわかっていない。物価高と給与削減で生活は悪化し、社会そのものを変えなければという声が強まってきた」とアテネの出版社勤務、アキレス・モルディティスさん(45)は不満をぶつける。
 政府は昨年末から3回にわたって財政再建策を発表し、付加価値税(日本の消費税に相当)引き上げや酒・たばこ増税、公務員給与凍結など3年間で赤字300億ユーロ(約3兆6000億円)を削減する計画を打ち出した。財政再建は、ユーロ圏諸国(16カ国)と国際通貨基金(IMF)の大規模支援(3年間で総額1100億ユーロ)を受ける前提だからだ。

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05月08日(土)
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