ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■社説が物足りない:自民党幹部のコメントは貧弱だ
鳩山首相の所信表明の全文
1、社説:所信表明―理念は現実に刻んでこそ 朝日
2、社説:所信表明演説 「理念」だけでは物足りない 読売
3、社説:鳩山首相の所信表明…「友愛政治」実現の道筋を 毎日
4、社説:米国抜きで東アジア共同体は語れない(10/26) 日経
5、主張:所信表明演説 見えない政策の優先順位 産経
鳩山首相の所信表明に対する全国紙の社説を読んで寒々とした思いになった。
初山首相が政治理念を語っているのである。この理念に関しての論説がほとんどない。日本のマスコミは「日本国家をこのような方向に持っていくべきだ」という志・理念がないと感じ寒々とした思いになった。
特に愕然としたのはこの演説に関する自民党幹部の反応である。鳩山首相の政治理念に対しては、政治理念での反論をすべきである。ただ、なじる程度のコメントを発するようでは、国民はますます自民党を見放すことになるだろう。
鳩山内閣発足後、初の国政選挙である参院神奈川、静岡両補欠選挙が25日投開票された。いずれも民主党の新人候補が勝利した。補足を加えれば先の衆院選で神奈川では15小選挙区のうち勝ったのは3選挙区だけだった。静岡県内では八つの小選挙区で全敗しておりこの流れが止まっていないのである。
鳩山首相の所信表明に対する谷垣禎一自民党総裁のテレビでのコメントを聞き、これでは政党としての存在感が急速に埋没するのではないかとの印象を持った。自民党は鳩山首相の政治理念に対しての対立軸がなければ、来年夏の参院選も大敗北するのではないか。
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1、 社説:所信表明―理念は現実に刻んでこそ 朝日
自分の言葉で、分かりやすく。鳩山由紀夫首相の初の所信表明演説から、そんな思いが伝わってきた。
具体的な政策のあれこれを説明するよりも、自らの政権が目指す社会の姿を、政治の理念を国民に語りかけたいということだったのだろう。
従業員の7割が障害者という工場の逸話を紹介した。働く側も受け入れる側も苦労は小さくない。それでも「人間は人に評価され、感謝され、必要とされてこそ幸せを感じる」という。
だれもが居場所と出番を見つけることのできる社会。弱い立場、少数の人々の視点が尊重される政治。これが持論の友愛政治の原点なのだと訴えた。
具体性がなく、ふわふわと耳に心地よい言葉が並ぶ選挙演説のようだと感じた人もいたかもしれない。だが、さまざまな格差や痛み、制度のほころびが深刻になる日本社会にあって、正面から「社会の作り直し」を呼びかけた率直さが、新鮮に響いたのは確かだ。
首相は演説の中で、障害者を「チャレンジド」と呼んだ。試練に挑戦する使命を与えられた人という意味で、欧米で使われている。先住民族のアイヌをはじめ、新しく日本社会に加わったブラジル人にも触れ、多文化が共生する社会づくりを求めた。
経済の厳しい状況やグローバル化の進展は、人々の心を閉ざす方向に働きかねない。そこにあえて、寛容さと開かれた社会を目指すとした時代認識に共感する。
そんな首相に国民が次に望むのは、そうした社会をどのように実現するのか、「ハウ」を語ることだ。
基本的な方向性は示されている。官僚依存から政治主導への転換、税金の無駄遣いの排除、「コンクリートから人へ」の予算配分の見直し、「地域主権」の確立……。
首相は、12月末に向けて編成作業が進む来年度予算案の中身や、それを審議する年明けの通常国会で具体的な肉付けを語る心づもりのようだ。政権発足からまだ40日。しっかり準備してからという気持ちは分からなくはない。
静岡、神奈川両県での参院補欠選挙で、ともに民主党候補が当選したことも、政権の滑り出しに対する首相の自信を深めたに違いない。
ただ、政権を取り巻く現状は甘くはない。沖縄・普天間飛行場の移設問題をどう決着させるか。経営危機に陥った日本航空の救済はどうするか。切迫した政治課題が目白押しだ。かじ取り次第で、国民の視線が批判に転じかねないことを覚悟すべきだろう。
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10月27日(火)
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