ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ ただ働きのシステム
 少し遅れたがマクドナルドの残業代不払い問題を記述したい。
 私は長らくサラリーマン生活をしたが、残業手当を貰った記憶がほとんどない。30歳ごろから管理職の仕事になったためである。日本はほとんどなんの権限もないのに管理職の部類に編成されると「ただ働きのシステム」の中に入る。マクドナルドは正社員約4500人中、実に4割近い約1700人が店長だ。ただ働きを強いて企業が利益を出す・・品格の低い企業といわねばならない。

 日本マクドナルドの直営店の現職店長の事例は、労働者を管理職に仕立てることで残業代を支払わない企業の手口の典型であると思う。月に100時間超の「サービス残業」を強いるような企業は、人権無視もはなはだしい。そもそも人を安く使って、利益ねじり出そうという経営的な発想が貧弱でないか。

 経済界は、管理監督者の一歩手前に位置する人たちを労働時間規制の対象外とするホワイトカラー・エグゼンプション制度を求めていた。この法案は成立しなかったが、これが導入されれば店長らは当然のようにその適用者と扱われ、ただ働きを強いられるのだ。なぜ、過労問題そのものである「サービス残業」が大きな政治問題にならないのか。国のシステム・政治家の感覚が、国民より企業保護に熟足を置いているからである。

 日本の社会は、企業が空前の繁栄をしているが、預金ゼロの貧しい国民が30%もいるのである。このアンバランスをどうするかが大きな社会問題である。少子化の原因は、預金ゼロの貧しい国民が30%もいることが大きく影響しているのである。


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社説:不払い残業 「店長だから」は通用しない
 実態に見合わない肩書を社員に与えて、会社が残業代を払わなくてもすむような不正がまかり通っているのではないか。
 日本マクドナルドに対し店長の残業代不払い分の支払いを命じた東京地裁の判決に、そんな疑心を抱いた会社員も少なくないだろう。社員の肩書を偽装して、ただ働きを強いているような企業は、判決を警告と重く受け止め、職場から不払い残業を一掃しなければならない。
 
この店長はアルバイトのカバーなどに追われ、月40〜50時間の残業が恒常的だった。最長で残業時間は月137時間にも達し、医師から脳梗塞(こうそく)の可能性を指摘されたこともあるのに、残業代は払われなかった。
 労働基準法は労働時間を「1日8時間、週40時間以内」と規制し、それを超える場合は経営者が残業代を支払うと定めるが、「管理監督者」は適用を除外されるとの条文があり、同社は就業規則で店長を管理監督者と規定してきたからだ。
 
管理監督者とは、経営者と一体的な立場にあり、勤務態様や賃金待遇などが一般の労働者よりも優遇される幹部のことだ。判決は、勤務実態などから店長は管理監督者には当たらないと判断した。同社では正社員約4500人中、実に4割近い約1700人が店長だ(07年9月現在)。これでは残業代を払わなくてもいいように、店長を管理監督者に据えていると疑われてもやむを得まい。
 
管理監督者は管理職の中のごく一部であるはずなのに、イコールとみなしている企業が少なくないといわれる。厚生労働省が社団法人に委託して05年にまとまった企業調査では、課長クラスの7割以上、課長補佐クラスでも4割以上が管理監督者とされていた。法の趣旨と実態があまりにもかけ離れている。その分、管理職クラスでただ働きがはびこっているわけだ。
 
1月には紳士服大手のコナカが、管理監督者であるとして残業代を払ってこなかった元店長の訴えを認め、解決金を支払うことを決めたばかりだ。管理監督者の肩書をただ働きの隠れみのにしている企業は直ちに見直すべきだ。厚労省も各企業への徹底した実態調査や指導強化が必要だ。
 
そもそも労働時間が厳しく規制されるのは、労働者の命にかかわる問題だからだ。非正規雇用が労働者の3人に1人を占めるようになった分、正社員の残業時間が増え、過労死や過労自殺は一向になくならない。


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02月09日(土)
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