ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■レスター・R・ブラウンリポート
レスター・R・ブラウン氏のリポートは巨視的で分かりやすい。今回は「中国経済拡大と米国経済低迷の理由」を引用した。

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サンタは中国人 ―中国経済拡大と米国経済低迷の理由―

                 レスター・R・ブラウン

サンタクロースは中国人だということを、私は知っている。なぜなら、クリスマスの朝、プレゼントの包みをすべて開けて段落すると、プレゼントがどこで作られているか、ひとつひとつチェックすることにしているからだ。結果はいつも
ほとんど同じで、ほぼ70%が中国製である。少し調査したところ、我が家での調査結果は、米国全体の状況を表しているようだ。

まずおもちゃを見てみよう。バービー人形からテレビゲームに至るまで、米国で売られているおもちゃのおよそ80%は中国製だ。英語をしゃべる人形は、中国の作業員から英語を教わったらしい。電子製品も、アップルのiPodからマイクロソ
フトのXboxまで、中国製だ。洋服も、新製品のカシミアセーターからトレーニングウェアに至るまで、たいてい「メード・イン・チャイナ」のラベルがついている。

そもそもクリスマスツリー自体も、中国製かもしれない。本物のクリスマスツリーは米国のどの州でも育ち、地元で売られているが、今では多くの家庭で人工のクリスマスツリーを囲んでいる。米国で売られている人工ツリーは、10本のうち8本が中国製だ。昨年、中国製のプラスチックのクリスマスツリー購入のために米国民が費やした金額は1億3,000万ドル以上だった。

今年、米国人が中国製のクリスマス用飾り物の購入に使う金額は10億ドル以上になるだろう。最も皮肉なのは、キリスト生誕の厩の置物でさえ、中国で作られていることだ。昨年米国人は中国から輸入された置物を買うのに3,900万ドル以上を使った。海外投資の誘致と莫大な労働力の動員に成功した中国は、世界の工場となったのだ。

米国のクリスマスが中国製であることは、米国を蝕んでいるさらに深刻な経済問題を象徴している。今日、クリスマスは米国でも中国でも祝われているが、その理由は異なり、経済に与える影響も正反対である。中国人にとっては、クリスマス特需は記録的な利益と所得の増加、そして所得の40%を貯蓄する社会での貯蓄の急増を意味する。一方、米国では今年もクリスマスショッピングのための支出が最高記録を更新したが、こうした支出がクレジットカードの負債と貿易赤字を急増させている。

米国民のクリスマス気分と活気の裏側には、行く先を見失い、大量消費の泥沼にはまった借金漬けの社会がある。社会全体が、より良い未来に投資するための貯蓄方法を忘れてしまったようだ。私たちは子どもたちに明るい経済的未来を残す代わりに、過去のどの世代よりも重い債務を負わせようとしているのだ。

個人レベルではクレジットカードによる負債が増える一方であり、政府レベルでは史上最大の赤字を抱えている。また、国際的なレベルでは、貿易赤字の最高額を毎月更新している。

一番気がかりなのは、私たちのクリスマスが中国製であるという事実そのものではなく、そうなるに至った考え方の方である。私たちは、とにかく消費したいのだ。お金は今使い、そのつけを子どもたちに回すつもりなのだ。

お金がかかる戦争をしていながら減税を導入しているのも、同じ考え方による。経済的犠牲という言葉は、もう私たちの辞書にはない。日本の真珠湾攻撃の後、ルーズベルト大統領は、戦車や戦闘機の製造に米国自動車産業の生産能力と技術力を動員するため、自家用車の販売を禁止した。それに対してブッシュ大統領は、2001年9月11日の米国同時多発テロの後、国民に買い物をするよう促したのであ
る。

米国では、消費に熱心になり過ぎて、個人の貯蓄が実質的に消えてしまった。子どもを含めた米国人一人当たりのクレジットカード所有枚数は、平均5枚である。1億4,500万人のカード保有者のうち、使用額を毎月清算しているのは5,500万人

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06月06日(水)
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