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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■憲法記念日 zensanさん「”知憲”へのお薦め」
憲法改正が政治日程に入る段階となっている。この時期に当たってzensanさんから分かりやすい講義が日記の中に掲載されていた。貴重な講義であるので、日々の映像の中に記録として保管させていただくことにしました。
★ もう長い間、私は、憲法記念日になると、少々、カタイ憲法を全文、読んで来ました。一つには、商売上(私は新聞記者と大学教員を50年しました)それはゼヒものでしたし、一応、大学は法学部政治学科ですから国家の組織原理に常に戻って行って、現況を考える習慣が身に付いているのだろう、と思います。
★ 一人の人間として、憲法を読む時、私は常に二つの視点から考えます。第一の視座・視点は、統治の原理。一体、政府はどこまで民を”統治”出来るのか? 統治の原理ですね。 もう一つは、国家の強大な権力でも侵害できない個人の尊厳。基本的人権とはなにか?
★ 現実政治で、憲法が問われるのは、この二つの原理の衝突です。例えば、私たちは、たとえ戦争の危機が目前に迫っても徴兵されることはありません。国際紛争の兵力・軍事行動による解決は憲法が禁じ、また国民の幸福追求の権利をそれに優先させる既定を設けているからです。
★ 「それはおかしい。日本は普通の国家になるべきだ」という政治的キャンペーンがにわかに高まってきました。先の総選挙で自民党が圧勝したことによってそれが憲法改正まで一気に登り詰める政治状況です。最大野党の民主党まで「普通の国家」論に傾いたので、もう歯止めは困難な状況です。
★ 私は、今こそ、全国民は、真剣に憲法を考えるべ
き時ではないか、と思います。特に若い人々にお勧めします。その前に、一つ。質問しますが、憲法、お読みになったこと、おありでしょうか? 憲法改正の国民投票を行う法律制定が始まっています。投票で是非を決めるのは、あなたです。憲法をみたこともない、では、その投票の責務が問われます。
★ よく分からない。そこはこれまで通り、付和雷同。それは絶対にいけません。その結果は、重大です。あなたの子、多分、孫世代は、親の付和雷同のいい加減さで、戦争に駆り出されます。「普通の国家」を理由に、自衛隊は自衛軍になり、強い国家を作るため徴兵制が敷かれます。そして子・孫は戦場へ。
★ 日本国民は、もう80年間、”徴兵”を知りません。昭和生まれは誰も徴兵されていません。そして戦後60年間、戦争に駆り出されることはありませんでした。なぜか? そこをしっかり振り返って見ましょう。明治・大正生まれの私たちの父祖は20歳になったらヘイタイにとられました。
★ 戦争後、世界が反省したのは、個人の尊厳に優先して国家利益を追求したことの誤りでした。国連に集まった世界の諸国は、先ず「世界人権宣言」を採択し、”地球より重い”一人の基本的人権を確認し、仮名各国に、それぞれの国家組織法と、個人の福祉に関わる法制の見直しを勧告しました。
★ 日本国憲法は、それに則った、最も理想的な憲法です。如何に優れた憲法であることか? それは、戦後60年、廃墟のどん底から世界に冠たる「福祉国家」を築いてきた事実だけで十分、説明できるでしょう。なによりも、私たちは、家庭を破壊する”徴兵”のおそれは全くなかったのです。
★ 若い皆さん、まず、憲法を読んでみましょう。幸い、昨年、日本のマスコミでちょっとした話題になった東京新聞のすばらしい取り組みが全部、ネット上に公開されています。そのキャンペーンのキーワードは、【知憲】 半年かけた長期連載記事は「逐条点検 日本国憲法」 全条文本文と、それぞれの条文の”改憲争点”が解説してあります。
http://www.tokyo-np.co.jp/nihonkoku-k/
★“知憲”と銘打って始まったこの連載は、昨年2月2日から6月22日まで、毎日、掲載されました。
「国会に憲法調査会が設置され、”論憲元年”の節を刻んだ2000年からはや6年。改憲は”論”から”具体”へと動き始めました。そこで、「各党は、一体、どう憲法に向き合おうとしているのか」を総点検するねらいでした。私は、当時、毎日、読んで、深い感銘を受けました。
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05月03日(水)
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