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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 余  録
 7月2日、粗鋼生産量の事を書いた。「世界的な鉄鋼不況が叫ばれていたのはつい半年前であり、あまりの急変に鉄鋼業界自身も戸惑いを隠せない」(7月8日 日経)という。アジアでの需要が加熱状態となっている。価格上昇の例を少々取り上げると次のとおりだ。それにしてもあっという間に変わって来るものだ。

1  熱延コイルアジア向け輸出価格1トン160ドルから260ドルに上昇
1  鉄スクラップは1トン6000円の安値から1万1000円に上昇
                           (7月8日 日経から)

       ◇      ◇      ◇       ◇
 7月13日、日本の金型の生産量のことを書いた。この金型は、中小企業の長年の技術やノウハウが詰まった「日本の製造業の強さの源泉」(7月13日 毎日から)なのである。ところがこの金型の図面や加工データ―が、金型メーカーの同意を得ないままに大手メーカーによって海外に流出しているという。

 日本の中小の金型業者は「3000社」(7月12日 日経から)この内、自社の図面を海外に持ち出された会社は「200社」(同)に及ぶ。よって、経済産業省は、この図面の海外への持ち出しは、不正競争防止法に抵触する可能性があるとして、改善を求める異例の行政指導を行なった。

 マスコミは日本の経済について常に悲観的な論調が多いように思う。金型についての毎日の報道は「高い技術、進む空洞化」であった。日本の金型の生産額は、米国・ドイツ・韓国・台湾・中国の5カ国の合計より多いのだから、まだ空洞化という言葉は使うべきではない。

 6月25日、海を渡る求人票という興味深い記事が掲載されていた。それは中国企業から「日本人生産管理専門家を求む。高級優遇、住宅貸与、年1回帰国制度あり」(6月25日 日経から)との求人票が続々と舞い込み始めている。特に「射出成型・金型などの専門技術者なら日本では考えられない50代後半にも求人がある」(同、人材紹介会社パヒュ―マ部長談)世界ナンバーワンを誇る金型などの専門技術者は、引く手あまたある。

 中国から海を渡って求人票が日本に来るのだから結構な話だと思う。ところが、求人票だけでなく「東京・虎ノ門のビルの一角に『上海市経営人材センター』の真新しい看板が掲げられた上海市政府の人事部門が国際ビジネスに精通した日本人管理職をスカウトするために開設した」(6月23日 日経から)という。この日中の新しい人の流れは、日中関係の発展に重要な役割を果たすと思う。

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 今月の経済界における最大のニュースは、アメリカの長距離通信大手のワールドコムの破産だ。このことは、7月14日に記述したが、資産総額が「1040億ドル(約12兆600億円)・・・負債総額約400億ドル(約4兆6400億円)」と巨額である。

 この内邦銀の融資残高は400億円と報道されている。国内の生損保もワールドコムの社債を保有していると報道されている。この損失額もかなりのものとなるだろう。

 日本のバブルは株式と不動産であったが、米国は、情報通信バブルであった。なにしろ、米国の通信業界は、4年間で4113億ドル(約48兆円)もの借入を行い、6400万キロメートル(地球を1600周する距離)に及ぶ光ファイバー網を作ったというから驚く。

 この稼働率が5%というから、まさに目算の崩壊である。そして、この株式の大暴落が米国企業の不審となって市場全体が畏縮している。アメリカ型の企業の根底を揺すぶっている。

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 毎日新聞で例年のとおり、青少年読書感想文全国コンクールの応募が始まった。毎年中学・高校の部の1位の感想文は読んで来た。この応募の内容が7月27日に大きく報道されていた。

 ここに女優の黒谷友香さん(26)が語っていたほんの1部を引用しよう。「1冊ごとに勉強になります。新しい知識が身につく。他人のことを考えられるようになる。本の中に入り込んだり離れたりして、いろいろな目線で物事を眺めることも出来るようになりました。」黒谷友香さんの大きな写真が載っていた。ともかく、読書をする人は輝いている。


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07月31日(水)
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