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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■今日はイチローデー 
 僕の野球人生の中でも最も熱かった。野球人生で最高の瞬間。チームメートとはあまり言葉でコミュニケーションができないが、ベンチからみんな出てくれて、熱くなった。(試合後、ナインからビールをかけられ)まさか、最下位のチームで、ビールをかけられるとは思わなかった。
 ――記録は、いつから意識したか。
 イメージをするようになったのは、200本を超えた後、急に(安打の)ペースが上がった時期があって、普通にやればいけるかなと思った。その後、厳しいかなと考えることもあったが、(9月21、22日に)5本、4本と打って、またいけると思った。
 ――01年の大リーグ新人最多安打(242本)、94年の日本の最多安打(210本)とは、違う感想か。
 01年に残した数字とは全然違うと感じている。94年は、怖さを知らないでやって、自分よりも何か大きな力が働いてできたことだと思う。04年の数字は、いろんな怖さを知り、それを乗り越え、技術を確立した上で達成した。全く重みが違う。
 ――シスラーの家族が観戦に来ていた。
 わざわざ遠い所にまで来てくれた。何よりも温かい表情を見せてくれたのが、うれしかった。
 ――記録達成への原動力は何か。
 野球が好きだということ。今季は、チームが厳しい状況で、そこから自分のモチベーションを作らなければならなかった。プロとして、勝つことだけが目的ではない。勝つことだけが目標の選手だったら、今回のようなことは無理だった。それは自分自身が自分自身に教えてくれた気がする。
 ――野球少年へのメッセージを。
 僕がこちらに来て思うのは、体がでかいことに、それほど意味はないということ。大リーグでは、僕は一番小さい方だけど、こういう記録ができた。日本の子供にも、アメリカの子供にも言えると思うけど、大切なのは、自分の持っているものを生かすこと。そう考えられるようになると、可能性が広がっていく。
 ――記録達成には重圧がかかったか。
 僕はやりたいと思ったことはやる。やりたいとか、やれるとか思うと、プレッシャーはかかるもの。注目を苦しいと感じることはない。注目をされないと僕らは終わってしまう。
 ――大リーグの最多安打記録の数字を知ったのはいつか。
 94年に210本を打った時、大リーグの162試合なら、このペースでいかないとできないのか、と思った。
 ――257安打目と258安打目の違いは。
 最初の方(タイ記録)が重かった。背負っている感じがあったし、これができないと怖いと思っていた。
 ――自身の年間最多安打記録は破られるか。
 84年もなかったことだが、ここにやってしまった人がいる。自分がもう一度破りたい。
 ――次の目標は。
 次のヒットが目標です。

引用Dイチロー、最多安打更新 4割打者へ夢の途中
 シーズン最多安打記録を達成したイチローにとって、来季以降の次なる目標は打率4割だ。1941年のテッド・ウィリアムス(レッドソックス)を最後に出ていない4割打者への挑戦。技術的な課題だった内角打ちを克服し、安打数を増やしたイチローだが、四球数を増やして打数を減らすことができるかがカギになる。(大リーグ取材班) 
 イチローが今季、安打数を飛躍的に伸ばした要因について、ロイヤルズでコーチ経験がある大リーグ解説者の高橋直樹氏は「昨年から苦手とされた内角の速球を苦にしなくなった。内角を引っ張って、右方向へ打てるようになったことが大きい」と分析する。
 今季の安打を見ると、最も多いのが中堅方向で次いで右翼方向へのもの。外角低めの球を左翼へ打つ技術は大リーガーの中でも屈指だが、右方向への安打数が増えたことが記録達成を大きく後押しした。
 イチローのプレーに取り組む姿勢を絶賛する声も少なくない。メジャーで最も優秀なゼネラルマネジャー(GM)との評価が高いアスレチックスのビリー・ビーン氏は「野球だけではなく、すべてのプロスポーツの中で、最も技術、準備に優れた選手。打席前にも入念にウオームアップしている。こんな選手は見たことがない。真のプロフェッショナルといえる」と賛辞を惜しまない。

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10月03日(日)
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