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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■余  録
 アルベローニさんは「我々は長年続いた深い友情や愛情に関わる場合でも同じように対応する。しばしばちょっとした目付きや無理解、あるいは夫が妻の機転のきかなさがきっかけで、軋轢を生じ、収拾のつかない事態に立ち至ることがある。

 そして(楽しかった)過去は帳消しになり、惨憺たる結果になったりもする。離婚の場合には、相手から与えられた幸せ、分かち合った喜びも総て煙のように消えうせる。・・・そして、誤った振る舞いや(相手から浴びせかけられた)毒を含んだ言葉が胸中に行列を作ることになる。・・・我々は、こういう記憶の抗し難い(悪しきことのみを記憶する力)心の邪悪なメカニズムをなんと呼ぶべきか自問する」(カッコ内は筆者の加筆)とあった。

 心理学者のアルベローニさんが、指摘するように、人の邪悪な心のメカニズムが、離婚という破局を生み出す背景なのだろう。
 
 しかし、この心のメカニズムも個人差があるように思える。・・・(省略)心の中が黒い霧に深く覆われている人は、悪しきことのみ記憶して、善き事は記憶に残らないように思う。

 心の状態を単純に言葉で表現すれば、心が濁っているか澄んでいるかに立て分けられるように思う。心が澄んでいれば、物事に対する感動もあるし、善き思い出も忘れることなく心に明確に刻むのではないか。離婚という人生のドラマは、さまざまな例外があるにせよ、その人の心のスクリーンの色で決まるのではないか。
 
 それでは、心に覆い被さる黒い霧をどうすれば払って、晴天のような心を育てることが出来るのだろう。心理学者であるアルべロールさんが「心に邪悪なメカニズムを何と呼ぶべきか自問する」との記述に留めているのに、私ごときがこのメカニズムを説明できるわけがない。人が生きる上で、根幹をなす事柄で、これ以上難しいテーマはないように思える。
 
 アインシュタインの語録の中で「真実は単純」という言葉がある。この前提に立って、邪悪の心のメカニズムの一断面を考えてみたい。人間の邪悪な心を益々燃え上がらせるような本が多くある。
  
 これは良書に対しては悪書になる。すなわち、悪書に多く接すれば、心の中が黒い霧で覆われ、押さえようもないほどの邪悪な心が噴出してくる。反対に良書に接すれば、心が清く逞しい方向に進むのではないだろうか。 人の心の真実は単純なものだと思っている1人である。・・・」
(98年4月5日の日々の映像から引用。後半部は1部削除と文章の縮小を計る)

 さて、冒頭に書いた離婚数であるが、多少の年度別に見ると、次のとおりだ。
1997年度の離婚件数  22万5000件                  
1999年度の離婚件数  25万0500件  97年比2万5500件の増
2000年度の離婚件数  26万4255件  前年比 1万3755件の増
2001年度の離婚件数  28万9000件  前年比 2万4745件の増
 
 以上のとおり、1997年から2000年まで離婚の増加は、1万2000件から1万3000件であったが、2001年度は前年比で2万4000件台の増加で過去最高の伸び率となる。こんなものだろうと冷めた見方もあるかも知れないが、2001年度の結婚は「80万3000組」(1月4日 日経から)しかないのである。

 少々くどく記述すれば、2001年度は、結婚80万3000組で、この結婚数の36%に当たる28万9000組の離婚があったのだ。なぜこんなに離婚が増えるのだろう。社会全体の有り様としても決して良いことではない。

 社会の指導者は、激増のデーターを見るだけで、有効な指導も出来ないまま、ただ立ち竦んでいるだけなのか。このペースでいけば、2002年の離婚は確実に30万組を軽く突破する。
    
     ◇     ◇     ◇     ◇

 1月17日は阪神大震災から7年を経過した日であった。6432人もの犠牲者の家族に対して、国はどのような支援をしたのか。3年余りも審議を重ねて、やっと法案が成立したのは、最高で100万円の(総額で約64億円)の見舞金で終わりであった。


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01月31日(木)
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