ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[256520hit]

■自殺者、12年連続3万人超える。
 しかし、一連の政策が自殺予防にどれほどの効果をもたらしているかの見極めは難しい。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の竹島正・自殺予防総合対策センター長は「キャンペーン型の事業だけでは真の対策にならない。自殺リスクの高い人は、それぞれの人生で生きにくさを抱え、そこに目を向けた本質的な支援を検討することが必要だ」と指摘する。
 自殺者数は、今年に入り小幅ながら減少傾向となっている。警察庁が発表した暫定値によると、4月末までの自殺者は1万309人で、09年同期比で9・0%減。景気の回復基調などを背景とした変化の兆しとの見方もあるが、自殺対策の支援関係者は「短期間のデータで判断するのは危険」と話している。
==============
 ◇自殺防止のための主な電話相談窓口
▽多重債務による自死をなくす会 コアセンター・コスモス相談窓口
 080・6159・4730
          4733
 ※午前9時〜午後8時
▽自殺予防いのちの電話(日本いのちの電話連盟)
 0120・738・556
 ※毎月10日。24時間
【関連記事】
自殺:原因「失業」が7割増 30代の増加、目立つ
自殺:最も多い日は3月1日 内閣府と厚労省分析
自殺:住職の妻、歯止めに一役…対策マニュアル作成
INEB東アジア国際フォーラム:社会とかかわる仏教 僧侶ら交流
働くナビ:働くことと自殺の関連性が、改めてクローズアップされています。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
自殺:原因「失業」が7割増 30代の増加、目立つ
              2010年5月13日 12時18分 毎日新聞 

 09年の自殺者のうち原因・動機に「失業」が含まれる人は1071人で、前年から7割近く増えたことが、警察庁が13日に発表した自殺統計で分かった。景気後退による雇用情勢の悪化が影響しているとみられ、特に30代の増加率は9割近くに達する。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺率は、20代と30代で過去最悪だった。自殺者総数は3万2845人で前年より596人(1.8%)増え、12年連続で3万人を超えた。

 今年1月に発表された自殺者総数3万2753人は暫定値で、今回が確定値となる。

 統計によると、原因・動機が判明した2万4434人のうち、1071人は「失業」が含まれ、前年の648人から65.3%増加した。原因・動機を分類する現行の方式を導入した07年(538人)から2年連続の増加となり、増加幅も急拡大。30代は228人で、前年(121人)比88.4%増だった。また、「生活苦」が原因・動機に含まれる人は全年代で1731人で、前年(1289人)から34.3%増加した。

 一方、09年の自殺率は25.8。年代別では20代が24.1、30代が26.2で、それぞれ過去最悪だった。20代は2年連続、30代は3年連続で最悪の数値を更新し、若年層の自殺の広がりは恒常化の様相をみせている。

 自殺者数を年代別でみると、50代が6491人と最多で全体の19.8%を占めた。60代5958人(18.1%)▽40代5261人(16%)▽30代4794人(14.6%)▽70代3671人(11.2%)▽20代3470人(10.6%)−−と続いた。

 09年平均の完全失業率は5.1%で6年ぶりに5%台まで悪化した。求職者1人当たりの求人件数を示す有効求人倍率も0.47倍で最悪の水準。自殺の原因・動機に関する数値の背景には、こうした厳しい雇用情勢もあるとみられる。【鮎川耕史、合田月美】

 ◇ことば・警察庁の自殺統計
 警察による検視などで自殺と判明したケースを計上する。原因・動機に関する現行の分類方法は07年統計から導入しており、「健康問題」「経済・生活問題」など七つの区分と、それを細分化した計52項目からなる。52項目には「失業」「生活苦」のほか「うつ病」「倒産」「職場の人間関係」「失恋」「いじめ」などがあり、警察官が三つまで選ぶ。

【関連記事】
完全失業率:3月は5.0% 前月比0.1ポイント悪化

[5]続きを読む

05月15日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る