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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■日本航空:負債総額は2兆3221億円の破たん
一方で政府も過去の航空政策の何が問題だったかを総括してほしい。日航の挫折は航空政策の挫折でもあり、大胆な見直しが欠かせない。
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3、社説:日航再建 親方日の丸から脱却を
2010年1月20日 毎日新聞
日本航空が子会社2社とともに東京地裁に会社更生法の適用を申請した。同時に官民が出資する企業再生支援機構が支援を決定し、政府も日航の安定運航を支援する声明を内外に向けて発表した。
昨年来、日航の再建問題で政府の対応は二転三転した。その間に信用不安が広がり、客離れを招いた。時間の空費が損失拡大につながったことを改めて強調しておきたい。
日航の負債総額は、金融を除く事業会社では過去最大の2兆円規模に達する。その中には、政府保証付きの融資もあり、それが債務削減によって焦げ付く。穴埋めに投じられる税金は数百億円規模にのぼる。
現時点で一般国民の負担が発生することになるわけで、日航はそれを自覚し、今後の事態に対処してもらいたい。
役員の退任、従業員の整理は避けられない措置だ。また、債権放棄額が約7300億円にものぼることを考えると、株券が無価値となる100%減資という形で株主の責任を問うのも当然だろう。
支援機構はスポンサーとして約3年後まで支援する。そのために3000億円以上を出資し、融資も6000億円の枠の中から実施する。しかし、再建がうまく進まず、それが焦げ付くことになれば、再び国民の負担が生じる。
実質的な最高経営責任者(CEO)として会長に就く京セラの稲盛和夫名誉会長ら新経営陣、そして支援機構の責任は重い。安全運航の確保は絶対で、そのうえで、労務問題や派閥抗争といった日航の積年の課題を解決し、親方日の丸的な体質からの脱却を実現してもらいたい。
採算性の悪い内外の路線の休止・減便を拡大することになり、利用者の反発が予想される。しかし、需要の少ない地方空港を次々につくり、路線の維持を求めてきたことも日航の経営の足を引っ張った大きな要因だ。そうした点を考えると、不採算路線からの撤退・縮小はやむを得ない措置だろう。
今回の日航再建作業の開始を機に、日本の航空運輸のあり方についても、見直しを進めてほしい。
前原誠司国土交通相は、地方空港乱立の原因となった空港整備勘定の廃止や、着陸料などの値下げに言及した。また、羽田空港のハブ空港化、さらに、関西の3空港のあり方という問題もある。これらの課題にも具体的に取り組んでもらいたい。
人口減少の中で日本の航空産業が、活力を維持していくには、中国など東アジアの成長を取り込むことが必要だ。そうした視点での航空政策の転換も、日航の再生を後押しするはずだ。
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毎日新聞 2010年1月20日 2時40分
01月20日(水)
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