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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■社説が物足りない:自民党幹部のコメントは貧弱だ
 政権公約の中心である資源の再配分については、現在年末に向けての予算編成が始まっている。95兆円に積み上がった概算要求をどう削っていくのか。公約の中で約束した「埋蔵金」などの財源をどう捻出(ねんしゅつ)するのか。わかりやすく情報を開示し、今後の指針を示してほしい。特に首相が重視する友愛政治実現のためには、それなりの財源の裏付けや経済戦略が必要だが、その道筋が示されていないことも指摘しておきたい。
 その過程で重要なのは、子ども手当の創設や高校の実質無償化、農家の戸別所得補償制度、高速道路の無料化など選挙の目玉公約について、その優先順位や実施工程について改めて整理を行い、公約通りいきそうもない問題が生じた時には率直に事情を説明し理解を求めることである。国民の代表で構成する国会ゆえに、政権の方針を国民的に確認する場としての機能を果たすだろう。
 外交・安保についても同様だ。演説では、「世界のかけ橋」「開かれた海洋国家」という言葉で国際社会における日本の位置を定義した。かけ橋としては、温室効果ガスの25%削減、核のない世界への不退転の決意を新たにし、海洋国家としては、アジア太平洋地域を友好と連帯の実りの海にしたい、と述べた。
 いずれも、理念としては同調できるが、その基盤となるべき「緊密かつ対等な日米同盟」の道筋が見えてこない。特に、普天間移設問題で表面化した関係閣僚の発言のずれは沖縄県民や関係者をいたずらに混乱させている。首相が「最後は私が決めます」と大見えを切るのであればこの国会で統一見解を出すべきだ。首相の過去の言動には、「常時駐留なき安保」「在日米軍基地の段階的な縮小」といった日米同盟関係の根本的な見直しを含むものもある。見直し議論の土俵をどこに置くかについても明らかにしてほしい。
 ◇献金問題の説明尽くせ
 いわゆる「故人献金」問題でもさらに突っ込んだ説明が必要だ。特に、虚偽記載が立件される場合は、秘書の不始末の責任を政治家がどう取るかについて、これまで野党時代に「責任の一体性」を追及してきたことも踏まえ、首相本人の説得力のある釈明が求められる。税制上の不備を指摘する声にもていねいに答弁してほしい。国民の信頼感なくしてはせっかくの大がかりの政策変更も絵に描いた餅となる。
 さて、野党に転じた自民党である。各委員会にベテラン議員を配して論戦を挑むが、ぜひとも、半世紀の政権運営のキャリアを持つ前政権政党としての風格を見せてもらいたい。野党としては、首相の献金問題や政権のスキャンダル追及は当然せざるを得ないだろうが、新しい旗を立て政策本位で与党を追い込んでほしい。野党にとっては、国会が数少ない自己実現の場である。その出来不出来が谷垣禎一執行部の今後の再生に影響すると見るべきだ。
 政権交代を受けて、国会の与野党攻防や論戦が、どう変化していくかも焦点となる。民主党からは政府・与党の一元化を徹底する立場から、官僚の国会答弁を禁止する法案の今国会提出や議員立法の自粛といった国会改革論が提起されている。
 しかし、あくまで国会での自由な論戦が担保されることが、大原則だ。官僚答弁も、内閣法制局長官らを含めての禁止が妥当かの議論がある。政治主導の実現とは、つまるところ国権の最高機関で、国の唯一の立法機関である国会の復権である。委員会審議活性化も含め新たなルール作りに与野党で取り組んでほしい。
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毎日新聞 2009年10月27日 0時02分
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