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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■北朝鮮再核実験:中国の対応が焦点
北朝鮮はオバマ政権にさらなる譲歩を期待した。しかし新政権の対北朝鮮政策やスタッフの陣容は整備が遅れ、早期の米朝直接交渉に消極的な姿勢が続いている。北朝鮮にとっては当て外れであり、最近はオバマ政権への直接的な非難を始めた。
北朝鮮のミサイル発射や核実験には、もちろん核ミサイルという戦略兵器確保の狙いがあり、国内向け宣伝の意味もある。最近の強硬一辺倒の動きは、金正日(キムジョンイル)総書記の健康問題や後継体制の準備に関連したものとの見方も有力だが、外交的には「早く交渉せよ」という対米メッセージの意味合いが強い。
米朝間では、北朝鮮に抑留中の米女性記者2人の解放について水面下の接触が行われている。場合によっては、これが核とミサイルを巡る交渉に発展する可能性もあろう。
ただ米国にとって北朝鮮はさしたる脅威ではない。核兵器がテロ集団の手に渡るような事態を封じることを条件に、北朝鮮の核保有を黙認するのではないか。そんな観測も流れている。北朝鮮の脅威に直面している日本としては、とうてい受け入れられない。今回の実験に関する追跡調査によって、北朝鮮の核兵器の能力が向上したという事実が確認されれば、なおさらである。
オバマ大統領は究極的な核兵器廃絶を目指す方針を示した。それならば、まず北朝鮮の核の脅威を完全除去するという具体的な目標達成に尽力してほしい。同盟国日本の懸念だけが問題なのではない。北朝鮮の核保有を小規模であれ事実上認めるような事態になれば、他の国も同様に国際ルールを無視して核開発に走る危険を排除できまい。
◇狙いは対米関係改善
改めて言うが、北朝鮮の最大の狙いは米国との関係改善なのだから、この状況を活用して北朝鮮を非核化に導くことも不可能ではないはずである。6カ国協議の枠組みを再稼働させる努力も必要だ。
一方、中国もこれまで以上に強い姿勢で対処すべきである。北朝鮮はますます中国への経済的依存度を高めている。食糧、エネルギー面で、中国の助けなしには生存できない国と言える。ところが中国はこれまで北朝鮮への強い影響力を持たないと説明してきた。
実際には、北朝鮮へのエネルギー供給を調節するといった方法で圧力をかけたことがあるようだ。表立って北朝鮮の体面をつぶし、事態を悪化させる必要はない。ただ、国際ルールを無視すれば利益より損害が大きいという事実を理解させるべきである。説得の役割を果たせるのは、さしあたり中国しかあるまい。
北朝鮮は「先軍政治」と称する軍事優先の統治を掲げ、先の最高人民会議では憲法の一部改正などを行った。内容は公表されていないが、金総書記が委員長を務める国防委員会の権限を増強したようだ。公式報道機関は、日本や韓国に対する激越な非難を連日のように続けている。
異様な体制ではあるが、核兵器を使えば北朝鮮も破局を迎える。日本政府も国民も北朝鮮の暴挙に過剰反応せず、米中や韓国との協調を重視しつつ対応していくこと。それが当面、最善の選択肢であろう。
英訳
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毎日新聞 2009年5月26日 0時14分
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3、社説1 北の核実験に安保理は厳しい制裁科せ(5/26)
2009年5月26日 日経
北朝鮮はいったい、どこまで挑発行為を繰り返すつもりなのか。ミサイル発射に続き、今度は2度目の核実験である。北東アジアや世界の安全を揺るがす北朝鮮の蛮行は断じて容認できない。国際社会は国連安全保障理事会の決議を通じて直ちに、拘束力かつ実効性のある厳しい制裁を科すべきである。
北朝鮮は「地下核実験を成功裏に実施した」と発表した。事実なら2006年10月に続く核実験の強行となる。再び核実験を実施しないよう要求した06年の安保理決議1718への明確な違反である。
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05月27日(水)
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