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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 基礎年金は税方式以外にない
全額税方式を模索する自民党内の動きには、「民主党案と近く、政界再編をにらんだ動きではないか」との見方もある。
これに対し、自民党厚生労働族の重鎮である丹羽雄哉前総務会長は真っ向から反論を挑んでいる。2月26日の衆院予算委員会で、額賀財務相から「全額税方式の導入には消費税率を15%に引き上げる必要がある」との答弁を引き出し、「消費税をこれだけ引き上げることを国民が容認してくれるのか」と問いかけた。
基礎年金 公的年金のうち、すべての職業に共通する部分。1985年の年金改革で導入された。老後生活の基礎的部分を保障する制度という位置づけで、原則として40年加入すると満額の月約6万6000円が支給される。
税方式 未納問題は解決、財源年22兆円必要
税方式の大きな特徴は、保険料の未納が起きなくなることだ。
厚生年金や共済年金の対象とならない自営業者、短時間労働者などが支払う国民年金保険料(現行月額1万4100円)は、納付率が66・3%(2006年度)まで落ち込んでいる。
未納者はその期間分の年金を受け取れないため、「年金財政への悪影響はさほど大きくない」(厚生労働省幹部)とも言われる。だが、社会保険庁の推計によると、年金受給に必要な原則25年の加入期間を満たすことができず無年金になった人は、これから納めても間に合わない現役世代を含め118万人にのぼる。生活保護を受ける無年金の高齢者が急増し、巨額の税財源が必要となる恐れも指摘されている。
税方式にすれば、基礎年金分の保険料がなくなるため、未納問題は解決に向かう。保険料徴収の行政コストも削減できる。
また、サラリーマン世帯の専業主婦は、現行では自分で保険料を納めなくても老後に基礎年金を受け取れる。税方式にすれば、この制度に対する不公平感も解消すると指摘されている。
税方式では、巨額の税財源をどう確保するかが課題となる。政府の試算によると、65歳以上の全員に基礎年金の満額(月約6万6000円)を税方式で支給する場合、年約22兆3000億円の税財源が必要となる。基礎年金にはすでに税が年約7兆円投入されているが、不足分を消費税でまかなう場合、税率を現行より6〜7%引き上げなければならない。
その一方、自営業者は国民年金保険料の支払いが不要となる。厚生年金も、現在は年収の約15%を労使折半で負担している保険料のうち、基礎年金財源に回されている約5%分の引き下げが可能になる。
ただ、すでに保険料を払い終えた高齢者にも、新たな消費税負担が生じる。「若い世代ほど不利になる、年金制度の世代間不公平が緩和される」(鈴木亘・東京学芸大准教授)という指摘もあるが、高齢者の理解を得られるかは未知数だ。
制度の切り替えに伴う移行措置をどうするかも課題となる。これまで未納だった人にも満額の基礎年金を支払えば、まじめに払っていた人との間で不公平になるためだ。
払っていた人に、基礎年金のほかに上乗せ年金を支給する案もあるが、必要な税財源はさらに多くなる。
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基礎年金「全額税方式は困難」保険料方式は「未納」課題
2007年10月25日 読売新聞
経済財政諮問会議の民間議員が25日の会合で、基礎年金をすべて国庫負担にして税で賄う「全額税方式」を導入した場合、公平性を確保しながら移行するには「困難な課題がある」と指摘した資料を提出することがわかった。
資料は、全額税方式と現行の保険料方式について利点と問題点をあげ、国民に「選択肢」を示すことが狙いで、現行の保険料方式も未納者や未加入者が増えている「未納問題」の解決が課題だと指摘している。
資料によると、全額税方式は、消費税率に換算して5〜7%分(12兆円〜16・3兆円)の財源を確保する必要があり、保険料を納付し終えた60歳以上の人に追加の税負担を求めたり、未納者に年金を支払うことも考えられる。このため、公平性を確保しながら制度を移行するには「困難な課題」があると指摘した。
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03月28日(金)
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