ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ イージス艦衝突事件
 不祥事の防止に地道に取り組み、国民の信頼回復を図る必要がある。
(2008年2月20日02時36分 読売新聞)
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社説:イージス艦衝突 どこを見張っていたのか
                   毎日新聞 2008年2月20日
最新鋭のハイテク艦船が、長さも幅も10分の1程度でしかない小さな漁船に衝突し、船体を真っ二つにしてしまう。あってはならない事故が起きた。
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」は、1月下旬にハワイで対空ミサイルの装備認定試験を受けた後、寄港先の海自横須賀基地に向かっていた。一方、千葉県勝浦市の漁協に所属するマグロはえ縄漁船「清徳丸」は、僚船とともに三宅島方面へ出漁する途中だった。
 事故は19日午前4時すぎに千葉県野島崎沖40キロの海上で起きた。漁船に乗り込んでいた父子は、冬の海に投げ出されて行方不明になっている。無事救出されることを願うばかりだ。
 衝突当時の詳細な状況は判明していない。ただ、2隻の予定航路から推定すると、太平洋を北上して東京湾に入ろうとしていた「あたご」が、南西方向に進路を取っていた清徳丸の左舷にぶつかった可能性が高いようだ。
 この場合、「あたご」から見て清徳丸は、右舷方向から接近してきたことになる。海上衝突予防法は、2隻の船が交差する場合、相手の船を右舷側に確認した船に衝突回避の義務があると定めているため、衝突直前の位置関係が過失責任を認定するうえで重要なポイントになる。
 それにしても、数百キロも離れた複数の空中標的を同時に探知、追跡できる高性能レーダーと情報処理能力を備えたイージス艦が、なぜ目の前の漁船と衝突するような初歩的な事故を起こしてしまったのか、疑問はつきない。
 海自によると、イージス艦の高性能レーダーは対空専用のため、周辺海域に対しては他の艦船と同様の水上レーダーを使用していて、小さな漁船だと捕捉できないこともあるという。
 むしろ見逃せないのは、「あたご」の乗組員による見張りが十分だったかどうかだ。事故当時、艦内は通常の当直体制にあり、ブリッジには10人程度が任務に就いていたという。
 現場は漁船や東京湾を出入りする船舶が数多く往来する海域だ。その自覚を持って当直の見張りが機能していれば、衝突を回避できたのではないか。
 海上自衛隊では昨年来、不祥事が後を絶たない。
 刑事事件に発展したイージス艦のデータ流出に始まって、油の転用疑惑にかかわる給油量の隠ぺい、航海日誌の無断破棄。さらに昨年12月に起きたヘリ搭載護衛艦「しらね」の火災は、無許可で持ち込まれた隊員の私物が原因と見られている。
 これらの規律の緩みが今回の事故とどこかでつながっていないかどうか、海自は厳重に点検すべきだ。また文民統制の観点から、重大事故が起きた際の防衛相や首相への速報体制についても改めてチェックする必要がある。
 東京朝刊

02月23日(土)
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