ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[257973hit]

■ DV=配偶者らからの暴力
 DV研究者や、被害者の支援グループなどによれば、一般的に加害男性は家庭の外でも誰彼かまわず暴力を振るう荒くれ男ではないそうだ。自分が思い通りにできる相手、なめてかかれる相手に対してだけ暴君となる、いわばどこにでもいそうな内弁慶が多いらしい。妻を服従させることで己の支配欲を満たそうとするわけで、その裏には、しばしば男性優位の発想が潜んでいる。


 一方、被害女性の特徴は、自己評価が極度に低いことだ。「実は悪いのは自分かもしれない」「自分さえ耐えれば済むこと」と限界まで辛抱する女性が少なくないという。繰り返される暴力で自尊心がずたずたになった結果でもあろうが、歯がゆいまでの過小評価だ。男が威張り、女が忍従するこんな男女関係・夫婦関係は、とっくに過去のものとなっていたのではないのか。


 振り返れば、たしかにDVに甘い社会的な土壌が、あるにはあった。3、40年前の話だが、時の首相が新婚時代に妻をよく殴ったというエピソードが外国のメディアで報じられたことがある。ただ、国内では、あまり目くじら立てて非難する空気はなく、当の首相は不名誉を恥じるどころか、話題を呼んだことで悦に入ったそうだ。その少し後にヒットした歌謡曲には、女が男に「悪い時はどうぞぶって」と甘えて懇願するようなせりふもあった。


 最近のDVの増加は、数十年前の男女観・夫婦観が、少なからぬ人々の意識の底にいまだ巣食っていることの証なのかもしれない。



09月18日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る