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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■余    録
 しかも、先月の余録に記述したように、18歳以前に完成した狭い社会観・常識の中で生きている人が多いような気がしてならない。一度積み上がった常識の中で生きているので、当然話題も少ない。これでは、お嫁さんの来てがないのも当然のように思える。
 農村部の長男に個が乏しいのは、日本の社会の縮図のように思う。日本は公(網の目のように張り巡らされた行政・地域の慣習)を優先して、個が押しつぶされていく構造がある。農村部の長男はこの公に従順な「いい人」が多い。いい人とは言い換えれば、ただ官の支配・地域の慣習に従うだけで自分がないのだ。
 都市部に話を移そう。最近は会っていないが、しばらくの間25歳の独身女性4人と懇談する機会があった。4人ともに「いい人が見つかったら結婚したい」という意志を持っていた。彼女達が目出度く結婚したとする。しかし、1月の余録に書いたようにコミュニケーションが保たれず離婚する人(統計的な数字は省略)が多い。これも少子化の大きな原因の1つだ。この離婚のことはここでは記述を省略する。
 若い夫婦は、だいたい共稼ぎで人生のスタートを切る。妻が正社員(25歳から34歳の働く女性の正社員の割合65%・・・2月7日 日経)の場合は、育児休暇が取得できる。しかし、現実はどうか。「正社員でさえ嫌がらせが横行している。非正規社員が働きながら子供を産むのはかなり困難だ」(2月7日 日経・谷女性ユニオン東京副執行委員長)法律的には正社員は育児休暇が取れることになっている。しかし、現実は出産と共に会社を辞めさせようとする企業が多いのが現実だ。よって、高いレベルの仕事をしている女性ほど結婚しても出産をしない人が多いのだ。そして、30代の中ごろになってから、そろそろ子供を持とうと考える。しかし、現実はそうはうまくいかない場合が出てくる。
 2月6日の日経で、「楽観は禁物、産み時を逃す」と題して、30歳を過ぎると妊娠しにくくなる解説が載っていた。「ある研究によると、妊娠のしやすさは、30歳を過ぎると年々低下する。誤算に気付いた時は、得てして後の祭りだ」(21世紀政策研究所)そして「産めない」夫婦、女性が誕生する。1992年まで30歳以上を高齢初産と規定されていたが、やはりこの傾向は否定できない現実なのだ。前記したように、30歳から34歳での女性の未婚率は26.6%だ。100人中26人が未婚なのである。これらの人たちが結婚しても「産めない」部類に入る確立が高まる。子供はいつでも産めるという幻想を持つべきでないのだ。この2月6日の解説を読んで「・・・なるほど、人間も生物なのだ。女性としての妊娠の能力が出るのは15歳前後だ。それから20年も経ってから、妊娠しようと思ってもだめの場合が多いのか・・・これが生物としての摂理なのだ。・・・」と納得した。
 さて次は結婚しても「産まない」夫婦の話に移そう。
 前記したように、25歳から34歳の女性の35%は、契約社員、パートなどの非正規社員だ。育児休業は、正社員だけの適用となっており、契約社員・派遣社員は取得する権利がない。よって、これらの女性達は、生活水準の大幅な低下か、出産断念かという二者択一を迫られることになる。若い女性達を福利厚生が少ない(ほとんどない)安い労働力として使う動きが更に強まっている。「人件費削減などで企業は非正規雇用を進めており正社員と非正規社員の比率が逆転する日も遠くない」(2月7日 日経)という。パート・契約社員の割合は、25歳から34歳で35%となっているが、結婚適齢期の21歳から30歳のパート・契約社員の割合は50%近くになっている感じだ。これでは前段に引用したとおり「非正規社員が働きながら子供を産むのはかなり困難だ」という対象夫婦が増加していく。社会全体で、人件費抑制の名のもとで、若い女性たちをいじめておいて、少子化が問題だなどという話は滑稽だ。社会全体で少子化へ進めと力を合わせて協力し合っているように映る。この日本は1月27日に書いたように人口7000万人減へ向かって進むしかないのか。

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02月28日(木)
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