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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ サブプライムローンの損失額
ちなみにデータを参照した記事の一つ、【USA TODAY】では記事のトップ部分に2003年1月以降のアメリカにおける住宅市場の市場規模変遷(折れ線グラフ)と、年間ベースのサブプライムローンの住宅ローン全体における割合(円グラフ)が記されている。また、同じく参照した東洋経済の特集号でも言及されているが、サブプライムローンに代表される住宅バブル問題は、実はアメリカだけでなくヨーロッパでも(独自に、そして確実に、大規模に)進行中である。また、「サブプライムローン」が大騒ぎされてそればかりがクローズアップされているが、欧米を含む各金融機関の損失が「サブプライムローン」だけによるものとは限らない。
さて。
近年では例えばブラックマンデーやアジア通貨危機、LTCM破綻などのような金融危機が起きた際、多少の(場合によっては大きな)影響を受け各種体制の変更を行いつつも、各国政府や金融機関、関連組織が知恵を振り絞り対処を行い、なんとか乗り越えてきた。日本国内でも2000年からはじまるITバブルの崩壊や、2003年前半に日経平均が7000円台をつけることになる金融恐慌(メガバンク危機)を経験しつつ、どうにか立ち直ることができた。
今回のサブプライムローン問題も、以前から識者の間で警告されていたこともあわせ、恐らく後に経済史において、ブラックマンデーや世界大恐慌と肩を並べる形で語られることになるだろう。しかしかつてのそれらの事象と同様、関係機関が英知を振り絞り対処することで、必ずや状況の改善が図られ、問題は解決され、市場も安定化するに違いない。
それがいつになるのかは分からないし、今現在が「山場を越えた」のかそれとも「まだ序の口」なのかは分からないけれども。
社説:G7と金融危機 震源地・米の覚悟が問われる
毎日新聞 2008年4月13日
世界的な金融不安は収まるのか。米国のサブプライムローン(低所得者向け高金利住宅ローン)焦げ付きに始まった市場の動揺が、世界不況に発展することはないか。先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が出す答えに、世界が注目した。
G7が用意したハイライトは「金融安定化フォーラム」による報告書だ。フォーラムはG7など主要国の金融監督当局や国際機関で構成するもので、昨年秋に金融危機の底流にある問題を洗い出すようG7から要請され、作業を進めてきた。今回、70ページに及ぶ報告書をまとめ、G7はその意義を強調すると同時に、盛り込まれた提言の早期実施を表明した。
提言には、金融機関による情報開示の改善や、資金繰り難への備え、国際的に活動する金融機関の監視で各国の当局が連携することなどが盛り込まれた。リスクの所在と大きさを見えやすくして不安の無用な拡大を防いだり、資金繰り難に当局と金融機関がそろって備えることなどにより、個別の問題が市場全体の機能不全に発展するのを回避する狙いがある。
問題の深さが見えない点に不安のもとがあることを考えると、情報開示やリスク評価の強化を促した報告書の処方せんは、正しい方向への第一歩といえそうだ。しかしながら、報告書はあくまで将来の再発防止を主眼としており、目の前を覆っている不安をすぐに取り払ってはくれない。
結局のところ、今ある危機を封じ込められるかどうかは、震源の米国で政府と中央銀行(連邦準備制度理事会=FRB)がどこまで踏み込んだ行動をとるかにかかっている。
全米5位の証券会社、ベア・スターンズの救済劇で異例の特別融資を断行したFRBは、その後も緊急時の資金供給に備えた対応策を検討している模様で、強い危機感が伝わってくる。しかし、中銀の支援だけでは限界が来るかもしれない。公的資金の投入なしに早期解決は困難と見られるが、米政府は、否定的だ。バブルに踊り、何十億円もの報酬を受け取ってきた金融機関経営者の失敗を血税で補うとなれば、猛批判を浴びかねないためである。特にガソリンや食料品の値上がりで庶民の不満が高まっている今、一部への公的支援は理解を得にくい。
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01月20日(土)
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