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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 日本国破産 日本は官制経済国家
 ところが、とくに1960年前後から「整備法」「開発法」等の他、特殊法人などの「設置法」、予算の「措置法」という具合に次々に新たな"事業"のための「政策」が法定化された。
 しかも「政策」は必ずしも国会の議決がなくてもできる。そのため、閣議決定や総理決定、政省令、通達などで無節操に増やし続けた。
 年金も郵貯も基本的には不良債権化しているのである。このまま行けば、ごく近い将来にも悲劇的事態を迎えることが確実だ。年金や郵貯から「財投」への貸出残高は鰻登りに増えているが、それはすでに"使い込み総額"といっても過言ではない状態になっている。
 というのも特殊法人などは、返済相当額を毎年新たに借り入れる"サラ金地獄"に陥っているからだ。「財投」の"使い込み"が将来返済される見込みはきわめて薄い。請求書は必ず国民に回される。そのとき「知らなかった」では済まされないツケなのである。
 国による歳出は一般会計と特別会計をあわせた純計で約260兆円、地方公共団体の支出は、国とのやりとりを除いた純計で90兆円である。したがって、国と地方を合わせた一般政府の支出は350兆円となる。
 この国の「経済」は極端にいえば、国と地方とあわせて国民の税金と貯金、年金、保険積立金など350兆円を上から流し込んで消費しているだけのものといってよい。つまり、市場特有の拡大再生産機能によって生み出される果実はないに近い。経済価値を創出する"市場"が死亡状態となり、回復不能の、借金が借金を呼ぶ財政破綻構造に陥っている。

【参考】財政法第46条に基づく国民への財政報告 平成16年度予算 特別会計
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/46houko/h16/h16d.htm

【参考】国庫歳入歳出状況 平成17年1月末 特別会計
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sainyu/h16/1701c.htm

  外国人ジャーナリストには「日本は社会主義・共産主義国家だ」と指摘する人がたくさんいました。しかし、社会主義・共産主義と違う点は、それらは(もちろん実際には異論を持っている人もたくさんいるとは思いますが、表向きは)国民の同意のもとにその制度を採用しているということです。日本は、国民は資本主義・自由主義国だと思っているのに、規制という権限をもとに官僚が国家経済を管理・コントロールしているという点で独特なのです。
本書が書かれたのが2001年なので、書かれているデータが若干古いものになっていますが、特に注意をしてみていただきたいのが「国と地方を合わせた一般政府の支出は350兆円となる」という部分です。当時のGDPは約510兆円でした。一般政府の歳出の中には年金のように実際の消費ではなく、お金の移転として計上されているものもあります。そうした部分を除いたとしても約300兆円規模の政府支出があります。つまりGDPの約6割が政府歳出となります。そして、その支出は、これまでみてきたように"借金"によって支えられてきたのです。このような日本の経済構造の中でGDPを増やすということは、さらに借金を増やすことと同義です。いまでも「日本は経済大国」と信じている日本人は多いと思いますが、それは砂上の楼閣であり、借金の上に築かれた幻想は、近い将来、崩れ去る時が必ず来るでしょう。
★ワンポイントレッスン★ 財投の不良債権はどれくらいある?
 慶應義塾大学経済学部助教授の土居丈朗氏は『財政投融資の健全性』というレポートで、2000年度末で267兆円の不良債権を指摘しています。
http://www.econ.keio.ac.jp/staff/tdoi/index-J.html
当時の融資総額は357兆円だったので、76%が不良債権となっていることになります。
 日医総研(日本医師会総合政策研究機構)は2002年4月に『公的年金積立金の運用実態の研究』という報告書を発表。年金積立金147兆円のうち、これまでその全額が財政投融資にまわっていて、そのうち87.7兆円が不良債権化していると結論づけています。
日本経団連など財界のシンクタンクである日本経済調査協議会が2003年に分析したところによると、特殊法人等の準政府部門が抱える借金は400兆円になるということです。

■コラム レント・シーカーたちの狂宴‐利権に巣くう魑魅魍魎−

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01月08日(月)
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