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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■村上和雄筑波大学名誉教授の「ほっとするお話」
今年は、以前にはない貴重な経験をした。その一つは、海賊対策として自衛艦に守られながら、アラビア海およびアデン湾を4月下旬に通航したことだった。飛鳥IIを含む十数隻の船は、海上自衛隊護衛艦2隻、国土交通省、英国情報収集機関(UKMTO)とも密接に連絡をとりながら通航した。
その数日間、乗船客は昼夜を問わず、オープンデッキ、客室のベランダには出ず、窓際には近づかなかった。さらに、夜間はオープンデッキの照明はすべて消灯し、部屋のカーテンを閉めて、室内の照明が外に漏れないようにした。乗客たちは、太平洋戦争中の灯火管制を久しぶりに思いだした。
≪世界に良い影響与える国≫
警護が終了した際、乗客は自衛艦やヘリコプターの隊員に手を振り、「ありがとう」の垂れ幕を揚げて感謝の気持ちを表した。その時、多くの乗客には熱い想いがこみ上げてきた。
日本の国内にいると、海賊の出現などという事態を、なかなか実感できないが、国際情勢は、日本にいる私たちが考えている以上に厳しいことを感じた。そして、自衛隊の存在や役割について考える機会にもなった。
そもそも、自衛隊は発足以来、国民から十分に評価されてこなかったように思う。生命の危機を伴う業務に従事させながら、それを政治家や国民が十分に認知しないのは正しくないように思った。
話は変わるが、いま、最も良い影響を世界に与えている国の最上位に日本が挙げられている。この世論調査は、米国メリーランド大学と英国のBBC放送が、27カ国の約2万8000人を対象に行って、2007年、世界600のメディアで発表された。
日本は、高い技術力を持ち、平和国家であり、海外でのマナーの良さなどが評価されている。日本にいると、日本はますます悪くなっているように感じるが、世界の評価は少し違うように思った。(むらかみ かずお)
06月18日(金)
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