ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■鳩山首相辞任
 やはりその一つは普天間の問題でありましょう。沖縄のみなさんにも徳之島のみなさんにもご迷惑をおかけしています。ただ、私は本当に沖縄の外に米軍の基地をできるだけ移すために努力しなければいけない。その思いで半年間、努力してまいりましたが、結果として県外にはなかなか届きませんでした。これからも県外にできるかぎり、移すように努力してまいることはいうまでもありませんが、一方で北朝鮮が韓国の哨戒艇を魚雷で沈没させるという事案が起きています。北東アジアは決して安全・安心が確保されている状況ではありません。日米が信頼関係を保つということが、日本だけでなく、東アジアの平和と安定のために不可欠なんだという思いのもとで、残念ながら、沖縄にご負担をお願いせざるをえなくなりました。そのことで沖縄のみなさま方にもご迷惑をおかけしています。
 そしてとくに社民党さんに政権離脱という厳しい思いをお与えしてしまったことが残念でなりません。ただみなさん、私はこれからも社民党さんとは、さまざま国民新党さんとともにありますが、一緒に今まで仕事をさせていただいていた、これからもできるかぎりの協力を、お願いを申し上げてまいりたい。さらに沖縄のみなさん方にも、県外に米軍の基地というものを少しずつでも移すことができるように、新しい政権としては努力を重ねていくことが何より大切だと思っています。
 社民党より日米をより重視した。けしからん。その気持ちがわからないでもありません。だがどうぞ、社民党さんと協力関係を模索していきながら、今ここはやはり、日米の協力関係をなんとしても維持させていかなければいけないという、この悲痛な思い。ぜひみなさんにもご理解をいただきたいと思っています。私はつまるところ日本の平和、日本人自身でつくりあげていく時を、いつかは求めなければいけないと思っています。アメリカに依存し続ける安全保障、これから50年、100年続けていいとは思いません。そこのところもぜひみなさん、ご理解いただいて、だから鳩山がなんとしても、少しでも、県外にと思ってきた、その思い、ご理解を得られればと思っています。その中に今回の普天間の本質が宿っているとそんなふうに思っています。いつか、私の時代は無理ですが、あなた方の時代に日本の平和を、もっと日本人自身でしっかりとみつめあげていくことができるような、そんな関係を、現在の日米の同盟の重要性はいうまでもありませんが、一方でそのことも模索をしていただきたい。私はその確信の中で、社民党さんを政権離脱に追い込んでしまった。
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社説:鳩山首相退陣 民主党は猛省し出直せ
 戦後、初めての本格的な政権交代が、わずか8カ月余でこんな事態となるとは誰が予想しただろう。
 鳩山由紀夫首相が2日、辞任を表明した。首相自らの大失態となった普天間問題をきっかけに、民主党内で噴出してきた退陣要求に追い込まれた末の決断である。併せて小沢一郎幹事長も、鳩山首相にうながされる形で辞任した。政治資金問題にけじめをつけることができなかった小沢氏の辞任もまた当然であり、むしろ遅過ぎたほどである。
 ◇もはや続投無理だった
 日本の民主主義の試練でもある。しかし、私たちは今回の「ツートップ」の辞任を、昨夏の総選挙で多くの有権者が政権交代に託した大きな期待を失望に終わらせないための新たなステップだととらえたい。今回の失敗を民主党は所属議員全員が猛省し、この首相交代が「与えられた最後のチャンス」と覚悟して、出直す必要がある。
 自民党政権がそうだったように首相が短期間で交代するのは確かに望ましい姿ではない。内政・外交ともに課題は山積している。だが、鳩山首相が国の最高責任者にとどまるのは、もはや無理だった。迷走の末、移設先が沖縄県名護市の「辺野古」に回帰した普天間問題をめぐる一連の言動は、沖縄県民への裏切りとなっただけではなく、「首相をどれだけ信用できるのか」と、その資質に強い疑念を抱かせたからだ。

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06月02日(水)
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