ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■35歳 日本の貧困層
 このアンケート結果を紹介したNHKのアナウンサーは、「先の見えない不安が広がっている」「少子化のさらなる加速も懸念される」とコメントし、続けて、現状の社会構造のまま、労働者の所得は増えず、正社員と非正社員の格差を放置した場合の20年後のシミュレーションを紹介。それによると、2029年の日本は、人口が1割減少し、経済はゼロ成長、失業率13%、年金28%減、消費税18%など超コスト負担社会が到来して中間層も崩壊するとのことです。

 そして、こうした明るい未来のない日本を裏付けるような35歳の実際の暮らしぶりをドキュメント。努力して勉強し十数個もの資格を取得したのに、正社員になれず、結婚を考えていた女性の親から年収が低いことを理由に結婚を反対され、「僕は生涯結婚できない」とつぶやく35歳男性。正社員だが予想もしなかった大幅な賃下げにあい、マンションのローンをかかえ、3人目の子どもはあきらめ、家族とすごす休日だった土日もダブルワークについやす35歳男性。夫の会社が倒産し、再就職したものの夫の年収は半分になり、小さな子どもをかかえ、深夜コンビニのアルバイトと昼間のパートのダブルワークを睡眠時間2時間半でこなす35歳女性。こうした状況から希望を取り戻すには、どうしたらいいのか? 番組では、@積極的雇用政策、A生活支援(子育て・教育・住宅への支援)、B家庭と両立する働き方(子育ての妨げとなる長時間労働の解消)の3つのキーワードによる新たな政策が必要と提言。たとえば、イギリスでは「積極的雇用政策」として、生活費を支援しながら職業訓練を実施し2年間で10万人の雇用を創出。イギリス政府のシミュレーションでは、積極的雇用政策への予算投入400億円で、雇用が創出され、税収はアップし、失業手当は下がるので、800億円の経済効果があるとのことです
 そこで、日本で積極的雇用政策を実施した場合のシミュレーションを紹介。2006年の数字で、積極的雇用政策への日本の支出は、OECD諸国の平均0.6%(対GDP比)の3分の1の0.2%しかないので、これをOECD諸国の平均まで引き上げるために2兆円を追加。イギリスで実施している再就職支援プログラムを真似て2年間生活費を支援し職業訓練を行うと、失業者が正社員へ、非正社員が正社員になるなど25万人が正社員化。これは、雇用者報酬の増加→消費の拡大→企業業績アップで設備投資が増加→GDPを0.3%押し上げるという、日本経済全体が良くなるという波及効果をもたらします。

 番組の最後に司会者が、「子どもなくして未来なし」というフランスの理念も紹介しながら、これからの日本社会では、「モノへの投資ではなく、若い人への投資へと発想を変えることが何より大切になっているのではないか」と締めくくりました。

このアンケート結果を紹介したNHKのアナウンサーは、「先の見えない不安が広がっている」「少子化のさらなる加速も懸念される」とコメントし、続けて、現状の社会構造のまま、労働者の所得は増えず、正社員と非正社員の格差を放置した場合の20年後のシミュレーションを紹介。それによると、2029年の日本は、人口が1割減少し、経済はゼロ成長、失業率13%、年金28%減、消費税18%など超コスト負担社会が到来して中間層も崩壊するとのことです。


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05月13日(木)
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