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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 長命社会 100歳まで働ける社会を
 注目したいのは、高齢化対策として最も重要だと思われる就労環境の理想として、100歳まで働ける「就労バリアフリー社会システム」の成立をうたっていることだ。もちろん若年層の就労機会が優先されるのは当然だ。だが、報告は高齢者の就労目的を生きがいの創造、技術の伝承、社会への貢献と位置付けている。そして、高齢者が(1)無理なく楽しく自分の能力・経験を生かし続けられる場作り(2)年齢にかかわらず個人の潜在能力が適正に評価される制度の定着(3)何歳でも何度でも転職、起業できる市場環境の育成−−を課題として指摘している。

 理想はあくまでも理想だ。しかし、20年後に日本の高齢化率が3割を超え、75歳以上が現在の倍の2300万人になることが想定されている以上、100歳までの就労モデルはある意味では現実的課題といえる。

 長命社会を対象とした産学連携の共同研究には大いに期待したい。世界最速の高齢化を遂げる日本に見本はなく、その意味では、研究から試行錯誤を重ね日本モデルを世界に発信していくしかないからだ。
毎日新聞 2010年5月10日 2時30分


05月10日(月)
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