ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[257806hit]

■ギリシャ財政破綻の第3のモデルになるか
 財政危機でギリシャ国債が急落し、市場からの資金調達が困難になって、国債の償還不能(デフォルト)の恐れが高まった。ギリシャ財政が破綻(はたん)すれば、景気低迷で巨額財政赤字を抱えるポルトガルやスペインにも信用不安が波及し、ギリシャが加盟するユーロの信用も失墜しかねない。
 ユーロ圏とIMFはギリシャ危機が欧州全体に連鎖することを警戒。ただ、ギリシャは脱税などの「闇経済」規模がGDP比で推定25%に上るとされ、負担を迫られるドイツなどは「放漫財政が危機の原因」と主張し、財政再建を強く求めた。
 支援の調整が手間取る中、4月下旬には、欧州連合(EU)統計局が「(実際の)ギリシャの09年の財政赤字はGDP比で13.6%に上り、さらに0.5%増える可能性がある」と発表。米スタンダード・アンド・プアーズはギリシャ国債を投機的水準に引き下げ、ポルトガル国債も格下げした。ギリシャの財政再建策を受け、ユーロ圏諸国とIMFは今月2日に支援を決めたが、市場では「ギリシャはデフォルトを回避できるのか」との疑念がくすぶり、「局面はギリシャ危機からユーロ危機に変わった」との見方が広がった。
 ギリシャ議会は6日、財政再建の関連法案を採決する方針で、パパンドレウ首相は「(法案が通らなければ)国が破産するだけだ」と理解を求めた。支援を正式承認する7日のユーロ圏首脳会合までにギリシャは法案通過を目指しているが、信用不安がユーロ圏全体に広がる中、ギリシャ支援策だけでは市場の混乱に歯止めがかけられる保証はない。【アテネ藤原章生、ロンドン会川晴之】

【関連記事】
ギリシャ:欧州市場続落 信用不安が拡大
ギリシャ:デモで3人死亡…緊縮策に抗議のゼネスト

―――――――――――――――――――――――――――――――――
ギリシャ:財政危機、世界に波及 景気回復にも影
2010年5月6日 毎日新聞
 ギリシャ危機が世界同時株安にまで至ったのは、市場が「ユーロ圏諸国が、他国を救済する政治的意思に欠けている」(欧州系金融大手エコノミスト)と見透かしたためだ。各国政府の対応が後手に回る中、ギリシャ危機は、まずポルトガル、スペインなど他の欧州諸国に飛び火。さらに世界各国の株式市場を急落させたことで、今後、世界的な景気回復にも影を落とす、との懸念が強まっている。【清水憲司、大久保渉、ロンドン会川晴之】
 欧州連合(EU)のファンロンパウ大統領は「根拠のないうわさで市場が理性を失っている」と述べるなど、沈静化に躍起だが、6日の市場でもギリシャ国債などが売られ、信用不安の封じ込めは図れていない。
 ギリシャは、14年までの5年間で財政赤字を国内総生産(GDP)比で11%削減する厳しい計画をまとめた。だが、5日にはデモによる騒乱で3人の死者が出るなど国民の反発は激しく、計画の実現が危ぶまれている。
 市場は、債権者がギリシャ国債の一部を放棄する債務再編案などの追加策実施を求め、各国の金融機関が3〜5割の債権カットに応じなければ、計画達成は難しいとの見方も出ている。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先週、ギリシャ国債を投機的水準である「BBプラス」に格下げしたが、これは債権回収率が3〜5割にとどまる水準を意味する。債権放棄を迫られた場合、発行額の4分の1を保有するギリシャだけでなく、750億ドル(約7兆円)を保有するフランス、450億ドルを保有するドイツなど、欧州の金融機関は大きな打撃を受ける。各国は新たな金融救済策を迫られる可能性もあり、市場の混乱を増幅する一因となっている。
 ユーロ圏諸国(16カ国)は2月11日の首脳会合で、ギリシャ支援で一致したが、支援決定に2カ月半の時間を要した。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は6日の会見で、「ポルトガル、スペインは、ギリシャとは同じではない」と述べ、市場の動きをけん制した。しかし、実際の支援までにさらに時間がかかれば、ポルトガルやスペインの国債なども売り込まれ、欧州信用不安が一層高まりかねない。

[5]続きを読む

05月08日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る