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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■独立行政法人の病巣に迫る意義は大きい
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【主張】独法仕分け 「国民受け」狙いでは困る
2010.4.22 03:44 産経新聞
政府の行政刷新会議による、独立行政法人(独法)を対象にした「事業仕分け」第2弾の前半戦が23日から始まる。
全独法の約半数に当たる47法人の151事業が選ばれている。枝野幸男行政刷新担当相らが行った事前の視察を踏まえての選定だ。
独法の統廃合も視野に入れ、温存されている無駄を洗い出す方針だが、政治ショー的な国民受けを狙ったパフォーマンスに走るのは慎むべきである。
昨秋の第1弾では「1事業に1時間」という制限を設け、衆人環視の下で官僚バッシングを行い、話題を集めた。与党内には、再度の注目効果を期待する声もあるようだが、政権浮揚の手段と考えているなら見当違いである。
独法には改めるべき点が多い。天下り官僚の受け入れが慣例化している。再天下り先となる公益法人への随意契約集中や、委託された業務をファミリー企業に再委託するなど、不透明な運営でも批判を浴びている。過大な剰余金も問題になっている。
国民の目が届きにくい世界だ。一向に改善されなかった病巣に迫ることの意義は大きい。
だが、事業仕分けには将来を見据えた国家戦略が求められる。資源小国の日本は、科学技術立国を標榜(ひょうぼう)している。第1弾で、スーパーコンピューターの開発予算を凍結しようとした際に国民が強く反発したのは、そのためだ。
第2弾の仕分けを踏まえて、研究開発系の独法の制度変更なども検討される見通しだ。日本には38の研究開発法人が存在する。理化学研究所や宇宙航空研究開発機構などがその顔ぶれである。
だが、その数は米国に比べて1けた少ない。米国では研究機関の多様性が国力の維持向上につながっていると見るべきだろう。
もし、今回の仕分けで「数減らし」という単純な発想が跋扈(ばっこ)するようなら、日本の将来にとって極めて危険だ。研究開発力は加速度的に弱体化し、科学技術立国という目標も絵に描いたもちとなる。国民の誇りも失われる。
研究開発は実利の追求だけにとどまらない。真理の探究も、知の体系の構築も含まれる。それを忘れると二流国家に成り下がる。仕分けにもこの視点が必要だ。
民主党は独法だけでなく、特別会計の無駄の見直しを掲げていたはずだ。この本丸への切り込みを忘れてはならない。
04月23日(金)
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