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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■大学生の親「年収450万未満」急増
 大学の学費の捻出(ねんしゅつ)は家計にとって大きな負担です。不況の下ではなおさらですね。そこで、家計の苦しい学生や成績の優秀な学生に授業料を免除したり奨学金を支給したりする大学が増えています。

 ――大学独自の奨学制度は、なぜ増えているのでしょうか。早稲田塾総合研究所主任研究員の倉部史記さんに聞きます。
 倉部さん 「不況に対応した経済支援という面もありますが、根底にあるのは大学間競争の激化です。少子化で学生数が減ったため、優秀な学生を集めるためにアピールする狙いがあります。今では、ほとんどの大学が何らかの取り組みをしています」
 ――奨学制度に、どんな種類のものがあるんですか。
 倉部さん 「大学によって様々ですが、大きくわけると〈1〉経済的に苦しい学生向け〈2〉成績が優秀な学生向け――の2種類です。最近の傾向として、国際基督教大学のように多額の奨学金を支給する大学も増えてきました」
 ――多額ってどのくらいでしょう。国際基督教大学(ICU)財務理事の白石隼男さんに聞きます。
 白石さん 「昨年度から始まった『ICUピースベル奨学金』は、在学中4年間にわたって年間100万円を支給します。入学試験の成績や家計の状況などを考慮し、毎年15人程度を選考しています。奨学金の原資となる基金は卒業生などからの寄付でまかなわれています。奨学金を受けている学生からは、『この制度がなければ入学できなかった』という声も届いています」
 ――一人400万円とはすごいですね。でも、学生を支援するのは私立だけじゃなくて、国立大学にもあるようです。
 東京大学奨学厚生グループ長の千々岩(ちぢいわ)高美さん 「教育の機会均等のために授業料免除制度は前からやっていました。ただ、入学後の審査まで免除を受けられるかどうかが分からず受験や進学をためらう学生もいました。そこで、2008年度からは、世帯の給与年収が400万円以下などの条件に合う学部学生は、授業料を全額免除するよう制度をハッキリさせました。事前に免除の基準やその計算方法も公表し、学生が安心して受験できるようになりました」
 ――授業料免除を受けている学生はどれくらいいるのでしょうか。
 千々岩さん 「今年度の前期実績では、留学生を除いた学部学生のうち697人が全額免除となっています。不況の影響もあってか、昨年よりも増加しています」
 ――各大学の奨学制度を知るには、どうすれば良いのでしょう。
 倉部さん 「制度は大学により違い、毎年変わります。大学のホームページで確認したり、個別に大学に問い合わせたりすることが必要でしょう。知らなければせっかくの制度も活用できません。高校時代の成績を考慮する大学も多いので、早いうちから実力をつけておくことも大切です」(経済部 中村直哉)
(2009年12月22日 読売新聞)
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4、学費負担してくれぬ親
2009年12月19日 読売新聞
 20歳過ぎの女子大学生。親が「学費を出す」と言ってくれたので頑張って大学進学しました。しかし2年前から父の給料が減り身内の不幸も重なりました。父は短気になり「家のローンもある。大学を出してやると言ったのはなかったことにしてくれ」と。今、両親は1円も出してくれません。
 学費のために授業の後、深夜までアルバイトをしています。教室で睡魔に負けてしまうことも。卒業までとても持ちません。遊ぶお金も時間もない。楽しそうにサークル活動をする同級生をねたんでしまう。それなのに両親は休日にそろって外食に出かけることも。
 先日、酒に酔った父が「自分で支払えているし、いいじゃないか」と言うので口論に。顔を殴られアザになりました。来年までに大学から授業料免除を認められなければ中退し、親子の縁を切って家を出て働こうかと。最近は母とは最低限の会話だけ。父とは目も合わせていません。(千葉・S子)

 本当に、今までよく頑張ってこられましたね。昨今の不況で、学業を続けられなくなった学生さんの話を聞くたびに、大学の教員として胸が痛みます。あなたの場合は、精神的にも追い詰められている様子が気がかりです。

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12月25日(金)
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