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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■政府はデフレにどう対処する。
バブル崩壊後のデフレを緩和するのに威力を発揮したのは、米国と中国の経済成長に引っ張られた輸出の増加だった。それに刺激されて設備投資が拡大し、企業業績は回復した。
いまは、鳩山政権が掲げる「コンクリートから人へ」の大方針に沿った福祉経済化や雇用対策、地球温暖化対策としての「グリーンな経済」づくりを基礎に、民間の投資や消費を引き出すような成長戦略を組み立て、実行に移すことが期待される。
来日したOECDのグリア事務総長は今週、日本の課題について、女性の社会進出や環境技術の発展で「新たな成長をめざす必要がある」と指摘した。このエールにこたえたい。
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2、社説:デフレ対策 不安心理絶つ姿勢示せ
2009年11月21日 毎日
政府は11月の月例経済報告で、日本経済について「緩やかなデフレ状況にある」とモノが余って物価下落が続くデフレにあると認定した。月例報告に「デフレ」の表現を盛り込むのは2006年6月以来だ。一方、景気の現状については「持ち直してきているが、自律性に乏しい」と判断を据え置いた。
デフレ認定といっても、あわてたり、身構えたりする必要はない。今は、景気の緩やかな回復傾向とデフレが共存しており、景気後退とデフレが連鎖する恐慌へ、すぐに突き進む恐れはない。
デフレを招いている要因は複合的だ。経済のグローバル化によって、中国など新興国による低価格の圧力が国境を超えて時間差を置かずにかかり続けている。また、昨秋のリーマン・ショック以降、実物経済の動きは世界的に低調で、モノが余って価格下落を生む状態にある。ここまでは世界共通の現象である。
日本ではさらに別の要素も見逃せない。ムダな公共事業の削減や流通の簡素化、さまざまな規制改革、地価の適正化、そして技術革新などが「高コスト構造」と言われてきた日本経済を変えつつある。現政権によるダム計画中止や事業仕分けによる予算見直しなどは、結果的にデフレ圧力を伴う。こうした社会の仕組みの望ましい変化がデフレをもたらしている面もあるのだ。
とはいえ、価格引き下げ競争によって企業の収益が悪化すると、賃金が落ち込み、5%台にとどまっている失業率が悪化する心配がある。その結果、さらに消費が落ち込んで物価が下がれば、景気後退との連鎖に陥っていく。こんな状況は避けなければならない。
デフレは持てる人と持たざる人との格差も広げる。十分な現金を持っている人や安定した職がある人は、物が安くなった恩恵を存分に受けるかもしれないが、借金を抱える人は返済額が実質的に膨らむし、雇用が安定しない人は賃下げや失業の恐れに直面する。
政府がデフレを認定したのは、今後の2次補正予算や来年度予算の編成で、さまざまな対策を盛り込む用意をしているからだろう。だが、目先の対応に追われ、望ましい変化の手を緩めてはならない。公共事業で需要刺激などナンセンスだ。持たざる人への手厚い対応で、社会不安を増大させないことも注文しておきたい。
伝統的な金融政策が手詰まりの状態にある日銀も含め、国民生活を脅かしかねない事態に真剣に対処しているという姿勢を打ち出すことが大事だ。そうしたメッセージが不安心理の増幅を絶ち、デフレの深刻化を食い止めるだろう。
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3、社説 閉塞デフレ脱却に政府・日銀は足並みを(11/21)
2009年11月21日 日経
菅直人副総理兼経済財政担当相は20日、日本経済について継続的に物価が下がるデフレとの認識を示した。政府がデフレの判断を示すのは2006年以来であり、景気悪化と物価下落の悪循環に陥らぬよう警戒が必要だ。政府と日銀は足並みをそろえ、経済危機に臨むべきである。
最近の消費者物価指数は、振れの大きな食料を除き前年比2%以上のマイナスになっている。日銀が先月末に示した経済と物価の展望でも、消費者物価は11年度まで3年連続で下落する見通しだ。
「失われた20年」の恐れ
こんな状況を踏まえれば、政府がデフレの認識を示したのは当然だ。
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11月23日(月)
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