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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■花王の食用油「エコナ クッキングオイル」出荷停止
 そんな矢先に、降ってわいたグリシドール脂肪酸エステルの問題。同エステルが分解すると、グリシドールという遺伝毒性がある発がん物質が遊離する。欧州では、赤ちゃん用ミルクに使われる精製パーム油で、濃度が約10ppm(ppmは100万分の1)の同エステルが検出された。どれだけのグリシドールが生じるかは不明だが、欧州の食品安全評価機関は仮に100%が遊離する最悪の場合に健康リスクが生じると想定。メーカーにパーム油精製工程の見直しを指示した。
 花王が7月に実施した分析で、エコナから検出された同エステルの濃度は、最高がクッキングオイルの91ppmだった。国内外の食品安全情報に詳しい国立医薬品食品衛生研究所の畝山智香子主任研究官は「欧州の事例よりひとケタ多く、出荷・販売停止は当然の措置」と指摘する。花王はクッキングオイル中の同エステル濃度を3ppm未満に引き下げるなどして、来春にも出荷再開する予定だ。
 ただし、幸いなことに高濃度とはいえ、グリシドールの発がん性の強さはそれほど強くない。実験で50%の動物にがんを起こすと考えられる濃度は、体重1キロ当たりに1日に4.28ミリグラムとされる。これを体重60キロの人に当てはめると、毎日約2キログラム以上のクッキングオイルを摂取することに相当するが、非現実的な摂取量だ。エコナを投与した動物実験でも、発がん性は認められていない。畝山主任研究官は「すでに食べてしまったことが原因でがんになると心配する必要はない」と話している。
[2009年9月18日/電子報道部解説委員・池辺 豊]

10月09日(金)
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