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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■谷垣自民党の険しい道のり
谷垣氏は、先の衆院選惨敗後の自民党の再生に向けて、重い責任を負ったといえる。
谷垣氏の勝利は、内閣や党の要職を歴任した経験と安定感、温厚な人柄が、議員、党員の双方から評価された結果とみられる。
河野氏は、谷垣氏が主張した挙党一致の「全員野球」を否定し、派閥政治を手厳しく批判した。だが、派閥領袖の退場を求めるなど性急な「排除」の論理は、多くの理解を得られなかった。
野党の主戦場は国会にある。
谷垣氏は、「錬磨した政策で与党を厳しく追及する。気迫を失ってはいけない」と強調してきた。同時に「あら探しで終わるようではだめだ」とも言っている。
その通りだろう。消費税率引き上げなど税財政や安全保障で正面から論戦を挑む。民主党の政策の矛盾点をあぶり出す一方、責任ある対案をあわせて提示する。
そんな観点から「老壮青」の自民党議員が質問に立つことは、党の活力を引き出すことにつながるのではないか。谷垣総裁も、鳩山首相との党首討論をはじめ国会論戦で、範を示すべきだ。
党の再建は容易ではない。党人事や来夏の参院選をはじめとした国政選挙が最初の関門になる。
総裁選で、世代交代を訴えた河野、西村両氏が一定の支持を得たことは、党役員の大幅刷新を求める党内世論の表れともいえよう。若手・中堅の積極的登用など清新な布陣が必要だ。
参院選では、党執行部に権限を集中させ、候補者も含め戦略を練り直すことが迫られそうだ。
選挙対策も、地方を重視するだけでは、展望は開けない。大事なのは、都市部の働き盛りの世代などから共感を得られる政策を打ち出すことだろう。成長戦略や新たな国家像の提示など、民主党との明確な対抗軸も欠かせない。
自民党は変わった、と有権者に受け止めてもらう。それが政権復帰に向けての第一歩になる。
(2009年9月29日01時04分 読売新聞)
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社説 谷垣新総裁は政権競う旗を(9/29)
2009年9月29日 日経
自民党の第24代総裁に谷垣禎一氏(64)が就任した。衆院選での歴史的大敗を踏まえた党の再生を担い、基本政策の見直しや古い体質からの脱却に取り組むことになる。厳しい状況をバネに、政権奪還に向けた新たな旗を明確にしてほしい。
自民党総裁選は国会議員票199、地方票300の合計で争われた。谷垣氏は1回目の投票で300票を獲得し、河野太郎氏(46)の144票、西村康稔氏(46)の54票に大差をつけて当選を決めた。
谷垣氏は総裁選で党運営では老壮青のバランスを重視する姿勢を示し、河野、西村両氏は脱派閥や世代交代に重点を置いた。安定感がある谷垣氏に軍配が上がったが、河野氏も地方票では109票を獲得し、健闘した。野党に転落し、河野流の党改革への期待が地方に多い党内世論を示している。
新執行部が直面する最優先の課題は、失われた国民の信頼をいかにして取り戻すかだ。安倍晋三、福田康夫両首相の突然の退陣で自民党総裁選は4年連続となった。統治能力の低下は明らかで、まずは党幹部への人材登用や来年夏の参院選の候補者選びに万全を期す必要がある。
自民党は衆参両院ともに民主党に議席数で大差をつけられている。鳩山内閣の発足直後の支持率は75%に達し、「脱官僚依存」や予算配分の見直しも好意的な評価が目立つ。政策面の対立軸があやふやなまま、国会運営で対決姿勢を強めるだけでは有権者の支持は得られない。
谷垣氏は総裁選直後に両院議員総会であいさつし「自民党にはまだ果たすべき使命があるはずだ。国民のために何をやる政党であるのかをしっかり議論し、生まれ変わらなければならない」と強調した。
民主党が掲げる「子ども手当」や高速道路の無料化などの目玉政策は財源に多くの不安を残している。社会保障制度や税制の抜本改革、外交・安全保障といった基本政策にもあいまいな部分が目立っている。
谷垣新総裁は自民党が長く政権与党の座にあった経験を生かし、重要政策をめぐる党内論議の先頭に立つ必要がある。緊張感のある二大政党制が日本に定着するかどうかは、野党・自民党の奮起にかかっている。
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09月29日(火)
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