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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■改正正農地法が成立 企業参入へ規制緩和?
 日本農業の最優先課題は、意欲的な担い手の確保である。「食糧安全保障の上から食料自給率の向上をめざす」とスローガンをいくら掲げても、担い手なしに農業の未来は開けない。だが、現状は農業従事者の6割を65歳以上の高齢者が占め、将来は先細りだ。
 今回の法改正で、高齢者らが営農意欲のある個人や法人に農地を貸し出せば、農地全体の約6%を占める耕作放棄地を減らすことにつながる。農地の集約化にも役立ち、生産性が向上することで農家の収入増も期待できる。
 ただ無秩序な貸借には注意を払うべきだ。貸し出された農地が産業廃棄物処分場にされた例もある。乱開発で優良農地がなくなる事態は防がねばならない。
 今回は違反転用への罰金についても、最高300万円から1億円に引き上げた。そうした歯止めと監視を強めた上で、企業の参入を促すのは担い手を確保する上で必要な措置だろう。
 忘れてならないのはコメの「減反」という生産調整の問題だ。自給率が下がっているのに、価格を維持するために補助金を投じて減反を続けるのは本来、矛盾した政策である。それが日本の農業の競争力を低下させ、消費者は長年、補助金と高い米価という二重のコストを負担してきた。
 今春、石破茂農水相は減反に参加するかどうかを農家個々の判断に委ねる「減反選択制」を打ち出した。現状維持では乗り切れないという危機感による政策転換だが、農水族議員が反発し、すっかり尻すぼみになった。農政の制度疲労を放置してはなるまい。

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2、平成の農政改革と呼ぶには程遠い
            農地法改正は「昭和の懐メロ」だ
                 http://diamond.jp/series/agric/10014/

 「所有から利用へ」をキャッチフレーズに掲げる農地法改正法案が、5月8日の衆院本会議で自民、公明、民主の賛成多数で可決された。農政当局は「平成の農政改革」といっているようだが、筆者には「昭和の懐メロ」に聞こえる。まず法改正の主なポイントを上げると、以下の通りだ。
<法律の目的の見直し>
 農地法の第1条から農地改革の理念であった「自作農主義」(所有者=耕作者)に関わる文言を削除する。具体的には、「農地を耕作者みずからが所有することが最も適当である」とする考え方を、「農地の効率的な利用を促進する」との考え方に改める。しかし、国会では民主党からの修正要求で、政府原案で削除されていた「耕作者」という言葉を復活し、「耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ…農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進」という文言を加え、「自作農主義」が維持された。
<農地転用規制の強化>
 現行では、学校などの公共施設の設置に伴って行う農地転用については、許可は不要とされているが、これを見直し、許可権者である都道府県知事等と協議を行う仕組みとする。違反転用に対する罰則(罰金額の引き上げ)を強化する。
<農地の権利移動規制の見直し>
 改正前は所有・利用とも農業者、農業生産法人に限られていたが、改正後は、利用については一般企業やJA、NPO法人などを認める(所有は改正後も変更無し)。しかし、民主党の修正要求によって、法人が「貸借」する場合には役員一人以上が常時農作業に従事することや農業委員会の許可に当たっては市町村が関与するなどの要件が加重された。
 ちなみに、農業生産法人への出資は、改正前は、1事業者当たり10%以下、全体で25%以下だが、改正後は1事業者当たり10%以下の規定を廃止する(全体で25%以下は継続)。農商工連携事業者などの場合は50%未満に。20年以内とされてきた賃貸借の期間は、50年以内に拡大する。

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07月09日(木)
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