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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■金融危機のマクロのデーター
前掲の表には、輸出と品目ごとの純輸出(輸出−輸入)の対GDP比も示している。ここで輸出が輸入より大きければ、当然、海外景気の影響を大きく受けることになる。しかし今回考えようとしているのは、実質的な付加価値がどれほど外需に依存しているかである。そのためには輸出と輸入がつり合うように調整しておかなければならない。そこで、すべての輸入項目に「全輸出/全輸入」を乗し、輸出と輸入が等しくなるようにした。表には、その結果得られた品目ごとの純輸出の対GDP比を示した。
当たり前だが、表からは日本、ドイツ、韓国、中国などが素材・原燃料の純輸入国であり、インドネシアやロシアが純輸出国であることが分かる。加工品(鉄、セメント、化学製品など)でも、純輸入国と純輸出国の顔ぶれはあまり変らない。部品においては日本が純輸出国であり、中国やマレーシアが純輸入国である。消費財では日本はわずかに純輸出国であり、中国やタイが大幅な純輸出国である。資本財においては日本、ドイツ、イタリア、フィンランド、韓国、マレーシア、タイ、フィリピン、中国が純輸出国となる。中国は素材や加工品、部品を輸入し、消費財と資本財を輸出している国であることが分かる。素材は付加価値をわずかしか含まないので、素材の輸入が減少しても国内の付加価値に置き換わることはない。そこで付加価値に着目した輸出依存度を考えるには、付加価値を多く含むもの、すなわち加工品、部品、消費財、資本財の純輸出を足し合わせればよいだろう。これらの純輸出を足したものの対GDP比を見ると、日本3.7%に対して、ドイツ5.7%、香港10.4%、韓国10.4%、シンガポール11.4%、中国8.6%と、いずれも日本との対比でその差が小さくなる。
これらの数字は、各国・地域が受けている影響を、単純な輸出依存度よりも正確に表しているだろう(本稿の分析においてはアジア経済研究所の熊谷聡氏の助力を得たことを感謝する)。
06月12日(金)
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