ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■赤字企業、東証1部で240社:しかし、飛躍の企業も
 今回はそれに加えて不況で需要が急減し、稼ぎ頭だった「お茶の間家電の王様」の薄型テレビが直撃を受けた。デジタルカメラ、パソコンなど多くの製品でも同じ構図で採算が悪化し、この影響は製品の心臓部にある半導体の市況崩壊にも波及した。
 さらに誤算は自動車関連だ。自動車の電子制御化が進むうえ、カーナビなど電子機器の装備が増え続けている。家電産業だった電機業界はいまや「車電産業」にもなりつつある。その自動車が、日米市場で新車販売の3〜4割減という土砂降りの状況となり、家電と車電の両翼が失速した。
 日本の鉱工業生産は昨年10〜12月期に11.9%減り、この1〜3月期も大幅な減少が予想される。自動車と電機の極度の販売不振が生産全体の急減を呼んでいる。電機9社で正社員を含む6万6千人以上を削減・配置転換するリストラ策も打ち出された。
 激震の急襲に身を縮めるのはわかるが、工場閉鎖や雇用削減の影響は地域社会にとってきわめて大きい。中長期的に雇用を守るよう、最大限の努力をしてほしい。衝撃の大きさに驚いてリストラが行き過ぎ、次の回復期に積極策へ出るための要員が枯渇しないよう配慮するのは当然だろう。
 思えば電機産業は、新技術を形にして夢のある新製品を生み出すことにより、暮らしを変え、新たな市場を創造してきた。その底力が試される。
 オバマ米大統領が言うグリーン・ニューディールを引き合いに出すまでもなく、環境や省エネをテーマに生活様式や社会基盤を見直し、よりよい技術体系に置き換える必要がますます強まるだろう。太陽電池も電気自動車でもカギを握るのは、技術の革新なのだ。現代社会の頭脳や神経となったITの重要性はさらに増す。
 現在の閉塞(へいそく)感を打開する担い手として、電機産業への期待は高まるに違いない。苦境を脱し、未来を開く種が次々と芽吹くのを一日も早く見たい。
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3、社説1 企業は危機後も見据えて逆境に対処を(2/8)
                       2008年2月8日 日経
 日本企業の業績が急速に悪化している。上場企業の2009年3月期の連結経常利益は前期比6割減り、製造業に限れば連結中心の決算になった00年3月期以降、初めて最終損益が赤字となる見通しになった。上場企業は前期まで6期連続で増益を続けてきた。追い風から逆風への急変ぶりが鮮明になっている。

 収益の悲観的な見通しは、企業の08年4―12月期決算の発表が峠を越えたことで明らかになった。資源価格の下落で原材料費を圧縮できるような一部の企業を除き、業績の悪化は幅広い業種に及ぶ。

 揺らいだ収益の前提

 人口の頭打ちに直面する内需型企業の不振に加え、電機や自動車をはじめとする輸出産業にも業績悪化が及んだのが特徴だ。世界的な景気後退の余波が、想像を上回る早さで日本企業を襲ったことを物語る。

 企業は、これまで収益拡大を支えてきた2つの前提が大きく揺らいだことを認識すべきだ。米国市場の成長と円安である。

 企業が製品の販売先として頼りにしていた米国市場は、個人消費の不調で萎縮のさなかにある。日本企業を直撃する構図が表れたのは自動車業界だ。米国全体の新車販売は昨年、07年より18%も落ち込んだ。日本メーカーは米国勢の不振を尻目に4割までシェアを伸ばしており、市場縮小の影響は大きくなった。

 米個人消費の不振は長期化すると見るべきだ。家計には出費を控える要素があふれている。保有する住宅の価格下落には歯止めがかからず、住宅を担保に膨らませてきた借入金は返済を迫られている。企業収益の低迷は雇用の減少に飛び火し、1月の米失業率は7.6%と16年4カ月ぶりの高水準になった。

 輸出企業の収益を底上げしてきた円安も、過去のものとなりつつある。円相場は対ドルで07年度平均の1ドル=114円から同90円前後まで上昇した。日本と米欧の金利差が縮小したことなどで、マネーが円に向かった。米欧は危機対策として金融緩和を続ける見通しで、金利差が再び拡大する展開は考えにくい。

 日本企業が打つべき手はまず、逆風を乗り切る防御策である。


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02月11日(水)
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