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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■小千谷のパナソニック子会社撤退
 同社は、正社員245人について、本社がある九州への転勤を条件に雇用は維持する方針。異動を断った場合の退職金の説明など、来週から事業場閉鎖に向けた動きが本格化するが、女性、年配の社員を中心に、既に退職を決意した人も多いという。
 新築したばかりの自宅のローン約2000万円が重くのしかかる。妻と小学生、保育園児の子ども2人と離れるのが何よりもつらいが、妻とは「このご時世に働く場所があるだけまし」と話し合った。新天地での生活に慣れたころ、妻子を九州に呼び寄せるつもりだ。
(2009年2月7日 読売新聞)
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3、「安定雇用」は幻想、就業能力高める道をめざせ(2009/2/5)
森 一夫 特別編集委員
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/mori/index.html

 2008年12月の完全失業率が前月比で0.5ポイントも上がって一気に4.4%になったため、雇用情勢の悪化に一段と危機感が高まっている。今や「雇用の安定」が社会的な課題に浮上しているが、中身をよく考えないと幻想を追うことになりかねない。
「正社員=安定雇用」は一面的な見方
 年末年始に東京の日比谷公園に設けられた「派遣村」が連日、マスコミによって報じられた影響は大きい。派遣契約を解除されて、住居を失った人たちが派遣村に救いを求める姿は、見る人に強烈な印象を残した。
 失業して路頭に迷う人たちの救済が重要であることは、あらためて言うまでもない。しかし、その結果、派遣社員に代表される非正規社員という雇用形態が、雇用不安の原因という受け止め方が広がった。
 製造業への派遣禁止など、派遣労働を規制すべきだという声が高まり、国会で検討されている。非正規社員=不安定雇用だから、非正規労働を規制して減らせば不安定雇用は減るという短絡的な考え方である。
 この背景にあるのは、非正規とは逆に、正社員=安定雇用という一面的なとらえ方である。非正規を制限すれば、正社員が増えて、雇用は安定する。こういう流れを思い描いているわけだが、果たして、実際にそうなるのか。
景気回復で忘れられた「拓銀・山一の教訓」
 疑問が二つある。第一に、非正社員を減らせば、その分が正社員にそっくり移るのか。第二に、正社員=安定雇用というのは、本当にそうなのかという点である。
 例えば、もし製造業への派遣労働を禁止した場合、どうなるのだろうか。直接雇用に変わったとしても、予想されるのは期間契約社員への移行である。あるいはメーカーが製造請負会社をつくって、そこで雇用する方法もある。実際には、いわゆる終身雇用型の正社員に移れる人は限られるのではないか。
 たとえ正社員になっても、これからは安心できない。正社員=安定雇用という見方は、たぶんに思い込みではないのか。「正社員」には良い待遇というイメージがあるが、これも一概には言えない。現在、非正規社員の削減が先行しているが、正社員は決して聖域ではない。NECグループやJVC・ケンウッド・ホールディングスなど、正社員の削減に動いている企業も少なくない。
 1997年に北海道拓殖銀行や山一証券などが経営破たんした時、大企業の不倒神話は崩れ、終身雇用も当てにならないことを多くの人が知ったはずである。ところが2002年からの景気回復により企業の新卒採用が持ち直すと、再び正社員=安定雇用という観念が支持されるようになった。
 しかし今回の世界的な不況による景気の落ち込みは激しく、すぐには回復しない。正社員の雇用調整も増加するだろう。非正規=不安定、正規=安定という雇用形態の違いによって、「安定雇用」を考えるのは現実的ではないことが、いずれはっきりするだろう。
「就業能力で職を確保する時代」へ発想転換を
 正社員、非正社員という言葉自体、職種、職業よりも、どこの会社の社員かを重視する古い観念に基づいている。グローバル競争と情報化により変化は速まっており、「会社」に一生を預ける危険性は以前とは比べものにならないくらい高まっている。

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02月09日(月)
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