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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 教育現場に飛び交う札束…大阪でも、医学部でも、政治介入も
教育界の金をめぐる事件や問題は後を絶たない。平成18年には大阪府教育委員会ナンバー2の元教育監が、知り合いの元学校法人理事長から親族の女性を府立高の非常勤講師に採用してもらうことを依頼され、採用決定後に仕立券付き紳士服地(35万円相当)を受け取ったとして、大阪府警に収賄容疑で逮捕された。
府教委が調査したところ、この元学校法人理事長から飲食接待や贈答品を受け取った職員が37人もいたことが判明した。
「慣例、慣習と思った」
今年3月には横浜市立大医学部の元学部長が医学博士号の学位を取得した大学院生から謝礼として総額約300万円を受け取っていたことが明るみに出た。元学部長のケースを含め、教授ら計16人が計約570万円を受け取っていた。大学の調査に「感謝の気持ちとして受け取った」などと答える教授もおり、罪悪感は極めて薄い。
医学博士号をめぐる現金授受では昨年、名古屋市立大の元大学院教授が、便宜を図った見返りに学位申請者から現金を受け取っていたとして収賄容疑で逮捕されている。学問と離れ、師弟間の不透明な金品の授受は連綿と続いているようだ。
県教委幹部も、県議も、議員秘書も…口利き公然
「よろしく頼むよ」
大分県の現職県議は県教委ナンバー2の元教育審議監、二宮政人容疑者(61)=収賄容疑で逮捕=に、こう言って採用の口利きを繰り返していたという。
選挙の後援者らからの口利きの依頼は絶えず、「頼まれたら、そういうこと(口利き)もするわな」。
当然のような口ぶりだったという。
県議だけではなかった。県教委の元幹部は「国会議員の秘書からも口利きを受けた」と明かし、さらに疑惑が拡大している。
こうした口利きは、少なくとも10年以上前から半ば公然と行われていたという。
「知人が受験するので配慮してくれないか」
県議らは県教委幹部を直接訪ねたり、ほかの職員のいる前で頼むこともあるなど、口利きに罪悪感はみじんも感じられない。
こうした中、今月15日には県教委トップの小矢文則教育長(60)が昨年の試験の際、口利きのあった受験者の合否を、正式発表の前に依頼のあった複数の県議に伝えていたことが明らかになった。
小矢教育長は「不正とまでは思わないが、誤解を与えるようなことをした」と苦しい弁明。口利きやその応答が、県教委トップまで巻き込んだ“日常”となっていた実態を裏付けた。
先生の子は先生に…背景に教員人気
大分県の教員採用試験をめぐる汚職事件の一因は、地方の採用試験の高倍率があるようだ。10倍を超す競争率の県も少なくない。地方では、いわゆる教育一家で、子供も教員を目指してもらいたいとの“信仰”も根強い。
大分県の場合、平成19年度の小学校教員採用試験の受験者は476人で採用者40人。実質倍率は11・9倍だ。
理由について大分県教委は、(1)少子化の進行(2)市町村合併などによる学校の統廃合−を挙げる。一般に地方の教員志望者は地元志向も強い。
教員の管理職試験の厳しさも同様だ。東京都のように管理職希望者が不足して主幹教諭(管理職の一つ)を配置できないのは全国的に見ると例外となっている。
こうした事情は各県でみられ、今回の汚職事件が大分県だけの問題なのか、疑念を抱く教職受験者も多い。
新潟県など複数の県でも県議らに合否の事前連絡していたことが明らかになるなど、教員採用や昇進をめぐる汚職事件が各地で発覚してもおかしくない土壌にある。
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社説 教員汚職―口利き封ずる仕組みを
2008年7月21日 朝日新聞
教え子の顔が一人一人浮かぶ。あの子たちにどう話せばいいのか――。そんな思いで眠れぬ夜を過ごしている人はどれぐらいいるだろう。
大分県の教員採用をめぐる汚職事件で、不正に採用されていたことが確認された場合には採用が取り消されるという。当然の措置だろうが、子どもたちへの影響が心配でもある。
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07月21日(月)
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