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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 竹島の歴史
 日韓両国が領有権を主張している竹島(韓国名・独島)について文部科学省は14日、中学の新学習指導要領の社会科解説書に日本の領土として取り上げることを決めた。
 韓国は駐日大使の一時帰国を決めるなど強く反発している。しかし、ここは韓国側の冷静な対応を求めたい。
 日韓間では、4月に来日した李明博(イミョンバク)大統領と福田康夫首相が「新時代の日韓関係」構築を誓ったばかりだ。しかも、北朝鮮の核問題を協議している6カ国協議は、同国の核計画申告の検証方法をめぐって重要な局面を迎えている。
 日韓両政府は連携を強化して北朝鮮に対応すべき立場にあることを忘れてはならない。一朝一夕には解決が難しい問題で大切な日韓関係を逆戻りさせては何の得にもならない。
 解説書は、新たな学習指導要領について教員、教科書執筆者の理解を深めるため文科省が発行するものだ。指導要領のような順守の法的拘束力はないとされているが、教科書記述は事実上これに沿い、授業内容にも反映される。
 領土に関する記述の拡充は、改正教育基本法に規定された伝統・文化の尊重、国・郷土を愛する心の養成という目標をよりどころとしている。
 現行指導要領の解説書では、北方領土問題だけを「我が国固有の領土」と明記して取り上げている。今回の解説書は北方領土問題の記述のあとに、「また、我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせることも必要である」との記述を加えた。
 竹島の記述部分に「固有の領土」との表現を結びつけず、日韓両国に主張の相違があることを指摘したことは韓国側への配慮といえる。一方で「北方領土と同様に」という記述で、竹島の固有領土明記を求める勢力にも気を配っている。
 竹島の領有権問題は1965年の日韓基本条約締結時にも結論を出せなかった未解決の案件である。しかし、韓国の教科書は「独島は我が国の領土」と記述している。そうしたことを考えれば、「歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかに我が国固有の領土」との立場の日本が教科書で竹島を取り上げても不自然ではないだろう。
 しかし、こどもたちを教育するための指針をめぐって日韓が対立するのは不幸なことだ。さまざまな配慮をめぐらした揚げ句、日本語としてすっきりしない表現になったことも現場の教師を惑わすだろう。
 国民感情を刺激しやすい領土問題は、両国政府が外交の場で理性的に、粘り強く話し合っていくべき問題である。感情的な対立を繰り返しているだけでは何の解決にもつながらない。
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社説  先行き見えぬ朝鮮半島情勢
                    2008年7月15日 日経
 朝鮮半島は果たして安定化に向かっているのだろうか。疑いと不安を感じざるを得ないのが現実だ。

 北朝鮮が提出した核計画の申告書をどう検証していくか。先週開いた6カ国協議の首席代表会合では、検証体制の大枠を決めた。核施設の無能力化と、見返りのエネルギー支援を10月末までに終えることも合意した。検証の手順など具体論は非核化作業部会で詳細を詰めるという。

 技術的な検証方法や手順は専門家に委ねざるを得ないが、せめて検証日程は決めてほしかった。米政府が議会通告したテロ支援国家指定の解除が発効する見通しの8月11日以前に検証作業を始め、矛盾があれば直ちに指定解除を撤回する構えがなければ、厳しい検証は期待薄だ。

 要は肝心の検証問題で多くのあいまいさを残し、対北朝鮮支援の日程だけを明確にしたのではないか。

 折から北朝鮮の景勝地・金剛山では、軍の立ち入り禁止区域に入ったとされる韓国人観光客が北朝鮮兵士に射殺される事件が起きた。冷え込む南北関係の新たな難題である。

 韓国政府は観光事業を中止するとともに、現地調査を要求した。だが北朝鮮は要請を拒否、「責任は韓国側にある」と逆に謝罪を要求する始末だ。理由はともあれ、貴重な人命を奪った事件である。南北が共同で真相究明するのは当然だ。


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07月19日(土)
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