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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 洞爺湖サミットが終わる
 とはいえ、「3F危機」をすぐ沈静化させられる即効性のある対策を、合意文書で示せたわけではない。
 短期的な対策として、原油では産油国の増産や製油所への投資強化、産油国と消費国との対話、原油市場の需給情報の整備がうたわれた。食糧では、最貧国への支援拡大や緊急時に備えた備蓄制度、輸出規制の撤廃などをあげた。合意文書に盛り込まれた対策に目新しさは乏しい。
 また、原油と穀物の高騰をあおっていると批判される投機マネーの抑制策や、あるいは、その大もとにある米国の金融混乱とドル安にも、明確なメッセージは示されなかった。
 インパクトには欠ける内容だが、それはG8の利害が衝突したからでは必ずしもない。残念ながらいまのところ即効薬は見いだしがたい、という現実があるからだ。
 3F問題の根底には、世界経済の大きな構造変化がある。これに対応するには、世界各国が中長期の対策を地道に積み重ねていくしかない。省エネを進め、代替エネ・新エネを開発し、途上国を含めて食糧を増産していくといった長期的な対策である。
 その点では、このサミットが問題解決に向けてスタートする決意を示したと評価できるのではないか。
 ブラジル、ロシア、インド、中国が頭文字から「BRICs」と呼ばれ、急速な経済成長が注目され始めたのは5年前だった。その新興国経済がこれほどのスピードで離陸し、世界経済の枠組みを著しく変えると予想した人は少なかっただろう。それが原油と食糧の需給見通しを大きく変えた。
 3Fは、今回サミットのテーマである地球温暖化とも深く結びついている。G8各国は利害対立を抱えながらも、共通の問題として対応していかざるをえなくなっている。
 たとえば、エネルギーと食糧の大輸出国であるロシアは、初参加のメドベージェフ大統領が、小麦などにかけていた輸出関税をサミット直前に撤廃した。これで食糧特別声明に輸出規制の撤廃を盛ることができた。バイオ燃料を推進する米国も、食糧との競合批判を受けて「食糧安全保障との両立」に合意した。サミットの重しがこれを引き出したともいえるだろう。
 3Fの克服は、新興国も含めて長き闘いになる。G8には、その険しい道のりをリードしていく使命がある。
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G8環境宣言 世界で目標を共有できるか
                   2008年7月9日01時58分 読売社説)
 温室効果ガスの排出量を2050年までに半減させる。この目標を世界全体で共有する。主要8か国(G8)として、ぎりぎりの合意にこぎ着けたということだろう。
 北海道洞爺湖サミットで、G8首脳は、最大の焦点となっていた地球温暖化対策に関する合意文書を発表した。
 50年までに半減という長期目標を達成するため、G8だけでなく、世界全体で排出削減に取り組んでいく必要があるとの認識で、G8首脳は一致した。
 世界全体の排出量は現在、先進国と新興国・途上国でほぼ半々である。先進国だけが努力しても、世界全体で半減することはできない。宣言は、G8首脳が新興国・途上国に応分の削減努力を一致して促したものだ。
 米国を含め、G8諸国が長期目標を国連の会議で採択するよう求めたことは、一定の前進だ。
 10〜20年後の中期目標についても、G8は、国別の排出総量目標を設定することで合意した。総量目標を設定する手法の一つとして、日本が提唱しているセクター別アプローチを「有益な手法」として評価した。
 G8のほか、中国やインドなど新興国も参加する主要排出国会議が9日に開かれる。G8の合意に新興国側がどう対応するかが、焦点となる。
 13年以降のポスト京都議定書は来年末までにまとめなくてはならない。G8の合意は、今後の国連での協議の方向性を示したものといえる。
 総合的にみると、日本は議長国としての役割は果たせたのではないだろうか。
 昨年のサミットでG8は、50年までに半減を「真剣に検討する」ことで合意した。今回はそれ以上の成果が求められていた。

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07月09日(水)
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