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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 給料上がらず物価高騰どうなるの

 とも報じており、「1バレル200ドル」は現実味を帯びてきている。また一部の国内企業でも200ドルを前提に中期経営計画を策定する企業も出現しているという。

 では、仮に1バレル200ドルに達した場合、国内経済にはどんな影響が出るのか。

  「原油のコストアップがそのまま反映された場合、レギュラーガソリン1リットルあたりの小売価格は210〜220円になると見られます」

 と話すのは日本エネルギー経済研究所・中東研究センターの担当者。

 石油連盟会長に就任した出光興産の天坊昭彦社長は2008年5月26日に、08年6月からガソリンなど石油製品の卸価格を1リットル当たり10円程度引き上げる見通しを明らかにしている。他の元売り各社も追随すると見られ、08年6月にはガソリンの店頭価格は170円を超えることがすでに濃厚。1バレル200ドルともなれば、これよりさらに50円ほどの値上げも予想され、企業や家計への影響は甚大だ。

 さらに、第一生命経済研究所は2008年5月23日に「原油200ドル/バレルの衝撃」と題した研究結果を発表。それによれば、2008年度末に1バレル200ドルに達した場合、ガソリン・軽油などの「石油製品」を筆頭に「電力」「都市ガス」「小売」「飲食店」などでの消費価格の値上げの影響を受け、1世帯あたりの年間の家計負担は7万4756円増加すると推計している。

■「タイムラグを伴って甚大な悪影響を及ぼす可能性が高い」

 さらに1バレル200ドルは個人消費や設備投資を押し下げ、2009年度には実質GDPを1.0%、企業の経常利益を7.2%押し下げると予測。それに続く2010年度にも実質GDPを0.9%、経常利益は4.2%押し下げると予測している。「原油価格の上昇はマクロ経済全体で見ても、タイムラグを伴って甚大な悪影響を及ぼす可能性が高い」という分析だ。

  「家計が約7万5000の負担増になるという分析は、あくまで原油価格が200ドルに達した場合のみを想定したものです。石炭や穀物の価格高騰は含まれておらず、実際の家計の負担はこれより増えるでしょう」

 第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱利廣氏はJ-CASTニュースに対してこのように話す。

  「オイルショックのときは物価も上がりましたが、給料も上がったので購買力という点では大きな悪影響はなかった。しかし、今回は物価の上昇に対して給料はそれほど上がっていない。先立つものがないため、物凄い節約を迫られることになります。節約が進めば、企業の売り上げが減るという悪循環が起こる。そういう点ではオイルショックのときより深刻です」

 資源自給率が低い日本が被る影響は世界の中でも大きく、日本経済が「原油インフレ」に苦しめられる可能性は強い。

06月03日(火)
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