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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ ガソリン価額はいったん25円が下がる
08年度政府予算が28日成立した。その一方で、道路特定財源問題は、福田康夫首相の一般財源化提案で新段階に入った。道路整備計画も期間を10年から5年に短縮し、最新のデータをもとに厳格かつ客観的な評価で本当に必要とされる道路に限ることを表明した。
 このことの意味は大きい。政府提出のままの成立では、道路特定財源は暫定税率が10年間継続し、ほぼ全額が道路整備に使われる。それでは、小泉純一郎政権以来の公共事業改革に逆行する。それに対して、道路財源の一般財源化は財政再建にも好ましい影響をもたらす。このことは野党もしっかりと認識する必要がある。
 財政赤字が問題化した80年代以降、財政再建は概算要求基準(シーリング)で、各費目の伸び率をゼロやマイナスにする歳出削減が柱になってきた。ほぼすべての費目を横並びで減らすというやり方だ。ただ、道路などの公共事業は景気対策として補正予算で増額されるなどしてきた。
 その一方で、国民生活にとって緊急性の高い医療や介護、教育などでは予算不足が深刻化している。メリハリの利いた歳出改革になっていないためだ。言い換えれば、道路整備などの利権化している費目の予算はほぼ手付かずで生き残ってきたということだ。
 これでは、予算が国民に必要な公共サービスをまかなうという役割を果たすことができない。そこで、抜本的な歳出改革や予算改革が欠かせない。
 道路特定財源というもっぱら道路整備に使われる税金を一般財源にすることは、歳出構造の変革を意味している。もちろん、そこでは、道路整備計画を厳選することが条件になる。福田首相は公約した以上、道路関係議員や国土交通省の抵抗を押し切らなければならない。道路財源が解き放たれれば、財政再建の姿は大きく変わる。
 大胆な歳出費目の見直しを行うと同時に、財政健全化にも寄与する仕組みを作るためには、暫定税率を維持した水準での一般財源化が適当だ。温暖化対策が急がれている時に、化石エネルギーへの課税軽減は時代錯誤である。
 暫定税率という異常な状態を解消しつつ、複雑な石油関連、自動車関連の税制を簡素化することにはだれも異論がないだろう。その内容をめぐっては、侃々諤々(かんかんがくがく)の論議を行えばいい。
 こうした改革は、長年の懸案であるメリハリの利いた予算編成を可能にする。道路整備予算にメスが入れば、いや応なくほかの公共事業の見直しも進む。
 民主党は暫定税率の08年度からの廃止にこだわっているが、福田提案は「土建国家」からの脱却のみならず、予算改革にもつながる。与野党が論を戦わせ、具体案で競うことこそが国民利益につながる。

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ガソリン税 最後まで混乱回避に努めよ
2008年3月29日 読売新聞社説
 国民生活の混乱回避に向けて、与野党は最後まで最大限の努力を続けてもらいたい。
 与野党は、31日で切れるガソリン税以外の租税特別措置の期限を、5月末まで延長することで合意した。不動産の登録免許税の減免や石油製品のナフサの免税などが対象だ。
 そのための「つなぎ法案」を今月中に成立させることで、ガソリン税以外の混乱は避けられる。
 だが、国民の関心が最も高いガソリン税の暫定税率では依然、与野党の主張の隔たりが大きい。民主党は、「2009年度から道路特定財源を一般財源化する」などとした福田首相の提案を拒否する姿勢を変えていない。
 道路特定財源は08年度から完全一般財源化させる。暫定税率は即時廃止し、年2兆6000億円の減税を実施する。官僚の天下りは完全廃止する――。
 民主党が、こうした「小沢3原則」を掲げた狙いは明白だ。
 政府・与党が同意できないような高いハードルを設定して、暫定税率を期限切れに追い込み、福田内閣を揺さぶることである。
 自らの主張が100%通らない限り、与党とは合意しない。民主党は、そんな政局一辺倒の姿勢で良いのか。党内でも、「09年度からの一般財源化」という福田提案を評価する声が出ていることを無視すべきではないだろう。
 08年度予算は成立しても、参院では、予算執行に必要な税制関連法案の審議が始まっていない。

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03月31日(月)
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