ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[257946hit]
■ 基礎年金は税方式以外にない
政府の試算では、65歳以上の全員に月6万6000円の年金を支給すると、年間約22兆3000億円かかる。2008年度予算案の基礎年金の税負担は7兆5000億円で、不足分を消費税で賄うとすれば、6%程度も引き上げなければならない。
自民党議連の案も、消費税率を現行の5%から12%へ引き上げる方針を打ち出したが、大幅増税は国民生活への影響が大きい。一方、民主党案は増税しない代わりに所得制限を設けたが、最低保障年金をもらえない人が出てくる。
税方式を導入する場合には制度の移行時に、これまでまじめに保険料を納めた人と、未納の人の公平性をどう確保するかという難題も解決しなければならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全額税か保険料か…基礎年金改革 政治課題に
2008年3月5日 読売新聞
福田首相が設置した社会保障国民会議は4日、雇用・年金問題を話し合う「所得確保・保障分科会」の初会合を開き、公的年金の基本となる基礎年金(国民年金)改革の議論がスタートした。焦点は、現行の「社会保険方式」か、全額を消費税などでまかなう「全額税方式」かの選択だ。政府・与党は、公式には社会保険方式の堅持で一致しているが、自民党内からも公然と全額税方式を求める声が出ており、基礎年金改革が政治課題となりそうだ。(政治部 湯本浩司、社会保障部 石崎浩)
迫る期限
「全額税方式化を含めた議論をすべきだ」
分科会の初会合で、日本経団連の岡本康男委員が基礎年金改革論議の口火を切ると、委員の一人、塩川正十郎東洋大総長(元財務相)は、全額税方式を基本とした独自の年金改革案を提示した。複数の委員から、現行の年金制度は「わかりにくい」など、不満の声も上がった。
基礎年金改革の議論が高まっているのは、基礎年金の国庫負担を現行の3分の1強から2分の1に引き上げる期限が2009年度に迫ったためだ。国庫負担引き上げは基礎年金を保険料と税で運営する現行の社会保険方式を維持しつつ、制度を持続可能なものにする改革だ。引き上げに必要な財源約2兆3000億円の確保のため、年末には消費税率の引き上げを含めた税制改正議論が不可避となっている。
だが、保険料の未納問題や年金記録問題による年金不信が解消されない中で、「国庫負担引き上げだけで信頼が回復するのか」という疑念が、保険料を廃止して、税だけでまかなう全額税方式という抜本改革を求める声につながっている。
議論の行方
16人の分科会委員には、日本経団連の岡本委員のほか、連合の古賀伸明事務局長ら、明確に全額税方式を主張している団体の有識者が少なくない。「政府の公式の会議で、現行制度を否定する議論が行われることは異例」と言われるのも、こうした要素が作用している側面がある。
社会保障国民会議は三つの分科会の議論を踏まえ、6月に中間報告、10月に最終報告を取りまとめる方針だ。ただ、厚生労働省や与党の厚生労働族の議員は、現行の社会保険方式の維持を主張している。
福田首相も、全額税方式の議論そのものは是認しながらも、2月の国会答弁では「(社会保険方式の)現行制度が、将来においても妥当性が高い」と述べるなど、全額税方式に慎重な姿勢を示している。
年金改革は次期衆院選の争点となることも予想されるだけに、選挙の時期もにらみ、中間・最終報告書に全額税方式についてどこまで記述されるか、注目が集まっている。
「再編」憶測
次期衆院選や、政界再編への思惑なども手伝って、与野党でも年金改革を巡る議論が活発になっている。
参院第1党の民主党は、全額税負担による月7万円の「最低保障年金」の創設をうたった独自の改革案を提唱している。
自民党でも、麻生太郎前幹事長が基礎年金の全額税方式を打ち出す論考を発表し、財源として消費税率を「10%」に引き上げることを提案している。野田毅・元自治相が会長を務める有志議員の勉強会「年金制度を抜本的に考える会」は2月に、月7万円の最低保障年金や新たな遺族年金の創設など、独自の改革案をまとめたところだ。野田氏は「将来的には消費税率が12%程度必要」との見通しを示している。
[5]続きを読む
03月28日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る