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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 日本でも、窓口負担『ゼロ』は可能

−この間の負担増が激しく、いつの間にか「負担は当たり前」ともいえるような状況になっています。
 「『財源がない』という理由で、国が低医療費政策を進めていることが原因です。しかし、『窓口負担は本当に当たり前なのか』と問うてみると、ヨーロッパ諸国やカナダ、オーストラリアなどでは、受診時の患者負担は原則無料なのです。病気や怪我に備えて、保険料を支払っているからで、『受診時の負担は当然』という今の日本の考え方が、世界の多くの国々からみれば、逆に矛盾した話になるのですよ」

■税金等の使途「国に要求しよう」
−日本では医療というと、いつも財源の話が先にきてしまいますが。
 「それが問題です。現在、総医療費は約31.5兆円で、このうち国民は保険料9兆円と窓口負担5兆円の計14兆円、約45%を負担しています。国は財政難を強調しますが、日本の医療費水準は経済規模に比べて極めて低く、OECD(経済協力開発機構)30か国で22位に過ぎません。それだけ医療費を切り詰めていることになり、世界の常識からはおかしい。医療の進歩と高齢化に応じた経済力に見合う医療費を確保することが不可欠です」

−そのための財源はあると。
 「そうです。日本では税金や保険料が医療に使われる割合も約40%と先進国で最低です。私たち国民は、窓口負担だけではなく、保険料を払っています。もともと税金も納めており、この何割かが国から医療に回される仕組みです。財源は、私たちが納めた税金や保険料で成り立っているのですから、『払ったお金(財源)を、こういうふうに使ってほしい』と、国に要求していいと思うのです。税金や保険料が医療や福祉に還元されるように、国の無駄遣いも見直すべきです」

−では、窓口負担の5兆円はどのように捻出するのですか。
 「国と、バブル期の2倍近い経常利益を上げながら税負担は減っている大企業(資本金10億円以上)に応分の負担をしてもらうべきです。なぜかというと、保険料を徴収する国には医療保障の法的責任があり、多くの労働力を使って大きな利益を上げている大企業ほど生活や労働環境、社会保障を引き受ける責任

があるからです。こうしたことも、先進国では当たり前となっていることなのです」

−窓口負担をゼロにすると、受診率が上がり、医療費が膨らむという指摘がありますが。
 「患者さんの負担を増やして受診を抑制したからといって、医療費全体は安くなりません。というのは、国民医療費の75%は高額な費用を要する病気が占めていて、25%の患者さんで掛かっています。残りの25%が大半の75%の患者さんに使われている医療費のため、患者負担を増やした受診抑制では、この数%の医療費が抑制されるだけです。むしろ、受診を我慢して病気が重症化する方が、結果的に医療費は高くつくことになります。早期受診・早期治療こそ、医療費を抑える効果的な方法ではないでしょうか」

−では、負担ゼロに向け、具体的にはどのように取り組んでいきますか。
 「医療機関などで手軽に渡せて『ゼロの会』を知ってもらうためのリーフレットを作成しました。これを用いて、さまざまな場所や機会を利用し、会の活動に理解を得る活動を進めています。そして、神奈川だけではなく、各地にゼロの会を立ち上げられたらという考えも持っています。まず何よりも、医療制度を変えるには、国民の圧倒的な支持が必要です。1千万人を目標にしているのですが、今年は本格的に賛同や署名を広げていく方針です。そして、実現に向けて、政府や関係機関に積極的に働きかけていくことにしています」

01月09日(水)
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