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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 経済3団体トップの年頭所感
偽装は食品にとどまらない。建材大手ニチアスの耐火性偽装が発覚し経営者は退陣に追い込まれた。一昨年発覚した耐震偽装の再発防止策として建築基準審査が厳しくなった結果、今年は住宅着工件数が大きく落ち込み、経済成長率を押し下げた。一連の偽装問題は経済社会の規律の緩みを象徴している。
与野党の政治決戦となった7月の参院選では、年金記録漏れ、政治とカネの問題に加え、地域格差への不満が噴出し、安倍自民党は歴史的な惨敗を喫した。参院では与野党勢力が逆転し、民主党が第1党となって議長、議運委員長などの重要ポストを占めた。衆院では与党が3分の2以上の多数だが、参院は民主党が完全に主導権を握り、民主党が同意しない限り、法案が1本も通らない「ねじれ国会」が出現した。
安倍首相は参院選惨敗後も続投したが、政権の命運を賭けるとしたテロ対策特措法延長のメドが立てられず、健康を損ねて9月の臨時国会の所信表明演説直後に突然、政権を投げ出した。後継首相には自民党総裁選で麻生太郎氏を破った福田康夫氏が就任した。
福田首相は民主党との協調路線を打ち出し、地域格差などに配慮する方針を表明した。しかし、テロとの戦いの貢献策であるインド洋での海上自衛隊の給油活動は中断したまま2カ月が経過し、テロ特措法に代わる給油新法案はいまだに成立していない。秋に本格検討するはずだった税制抜本改革も先送りされた。
ねじれ国会を理由に国としての重要な意思決定ができない状況が長期化するのは好ましくない。こうした問題意識から福田首相と小沢一郎民主党代表の間で自民・民主の大連立が協議された。この協議は民主党内の支持が得られず、国民にも唐突な印象を与えて不調に終わった。
早期解散で民意を問え
守屋武昌前防衛次官が逮捕された防衛省汚職事件で政府不信の声は再び高まった。5000万件の年金記録漏れのうち、1975万件の照合作業が難航し、945万件は照合できないことが判明、来年3月までに照合するとした公約と絡んで内閣支持率が急落した。福田政権はねじれ国会のもとで苦しい政権運営が続いている。
給油新法案は再延長された国会で年明けには与党の3分の2以上の賛成により衆院で再可決され、ようやく成立する見通しだが、来年度予算案を執行するための関連法案をめぐって、ねじれ国会は3月末には最大のヤマ場を迎える。3月末までに予算関連法案が成立しなければ、来年度予算に大きな穴が開く。
ガソリン税の暫定税率をめぐる与野党激突は避けられそうにないが、国民生活に混乱が生じないよう予算関連法案の速やかな成立が望ましい。その後は衆院を解散し、総選挙で民意を問うことが必要だろう。民意に沿って早急に政治を安定させる枠組みを作り、抜本的な税制改革や年金改革に取り組むことが来年の政治に課せられた最大の課題である。政治の停滞が日本の衰退を招くようなことがあってはならない。
01月05日(土)
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