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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ ヒマラヤ 氷河湖200崩壊(洪水)の危機
温暖化防止の一歩として先進国に排出削減を義務づけた京都議定書と違って、新たな枠組みの交渉では発展途上国も巻き込んだ多様な排出抑制・削減の仕組みが議論される。中国やインドなどの大排出国を他の途上国と区分けして排出抑制に何らかの目標を設けたり、産業別の削減目標や途上国への協力を考え出したりするなど、実効性ある排出削減の枠組み構築に向け知恵が試される。
いずれの議論でも原則になるのは、気候変動枠組み条約に明記されている「共通だが差異ある責任」だ。途上国にいきなり削減義務を課すことがなくても、先進国は削減義務から逃れられまい。日本の産業界はなお削減目標の設定回避を望んでいるように見えるが、甘い願望は早く捨てるべきである。
米欧や中国などの有力企業150社は先週、法的拘束力のある排出削減の枠組みを求める共同宣言を発表し、日本企業にも参加を促した。国や企業の指導者が温暖化防止で求められているのは高い志である。
排出削減には困難も伴うが、目先の国益や企業利益にとらわれるあまり、対策が遅れて被害を広げ、取り返しがつかなくなっては元も子もない。経済成長と両立する低炭素社会は是が非でも実現しなければならない。日本は2050年までに世界の排出半減という目標を掲げた。その志が見かけ倒しにならないよう、政府は自らに厳しい目標を課しつつ、米中印を巧みに誘導すべきである。
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・脱温暖化会議―「イチ抜けた」を出すな
「京都の一歩」をどう引き継ぐか。
地球の脱温暖化に向けて、国連気候変動枠組み条約締約国会議が3日、インドネシアのバリ島で始まる。
先進国に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出削減を義務づける京都議定書のもとになっているのが、この条約である。京都議定書の第1期が12年に終わるのをにらみ、その後の枠組みづくりを話し合おうというのだ。
10月の準備会合では、09年までに枠組みをつくる方向が定まった。今回は、その期限を確認したうえで、交渉の進め方を決めるのが最大の課題となる。
このときに最も心がけたいのは、「イチ抜けた」組を出さない工夫だ。
CO2排出量トップの米国は京都議定書から離脱している。まもなく米国を追い抜くといわれる中国は、途上国の扱いで義務を負っていない。今後の経済成長が見込まれるインドも同じだ。
今回の話し合いには、この3カ国も加わる。13年からは、これらの国々に応分の責任を担ってもらわないと困る。そのためには議定書の今の方式にこだわらず、議論の幅を広げる必要がある。
一方で、京都議定書から受け継いでほしいことがある。CO2を大量に出せば金を払い、逆に減らせば得をするという考え方だ。
議定書は多くの先進国に削減目標を割り当てた。その結果、目標より抑えた分を、出し過ぎたところに売れることになった。国どうしだけではない。欧州では産業界にも目標を課し、企業どうしの排出量取引市場が育っている。
こうした仕組みは、脱温暖化の技術開発を後押しすることにつながる。
科学者らでつくる「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書も、京都議定書の功績として排出量の市場を生み出したことを挙げている。
だが、今の削減義務方式をそのまま広げることには、反発や異論がある。
中国やインドは、国民1人当たりのCO2排出量が米国などに遠く及ばない。排出大国として削減義務を負わされることには拒否感がある。一方で、日本の産業界には、省エネルギーに努めてきた実績を顧みずに目標値を決められてはたまらない、という思いが強い。
話し合いではまず、こうした声を洗いざらい出し合ってはどうか。公平感のある削減目標の割り当て方法を探って、地球規模の排出量取引に道を開きたい。
09年という期限の定め方は、世界政治の先行きを見通すと興味深い。
この年に、米国では温暖化対策に消極的なブッシュ政権が終わる。共和、民主のどちらの党が政権に就いても温暖化への姿勢が大きく変わる可能性がある。
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12月07日(金)
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