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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■完全失業率は前月比0.3ポイント減の4.7%
ドジャースの野茂英雄投手が、ようやく自己通算100勝目を手に入れた。今季開幕戦を完封で飾ってから約3週間、4度目の先発登板の末の金字塔。95年にメジャーリーグで初勝利を挙げたドジャースタジアムで、その時と同じドジャースのユニフォームを着て奪った100勝目だった。
ようやく初勝利を挙げたのは、初先発から1カ月後の6月2日。それ以来野茂は、ナ・リーグ新人王、ノーヒット・ノーランを2度達成するなど、リーグ史に残る偉業を成し遂げてきた。99年には解雇も経験したが、無から這い上がる力強さも身に付けて、この大台に到達したのだ。
「彼が投げる時は勝てる」と思わせる信頼感
野茂が100勝目を勝ち取った夜、ジム・コルボーン投手コーチが「これは大偉業だ。特に日本人選手としてはね」と言った。記者の一人が「いろいろな面での対応力が必要になってくるからですね」と聞く。すると同コーチは、「それもある」と言ったあと、「それと彼が乗り越えてきたさまざまな逆境だ。いくつかのチームが彼は終わったと思った時があった。しかし彼は終わらなかった。自分の母国とは違う地で、しっかり逆境をはね返してここまで来たんだ。私がメジャーリーグに関わってきた32年間で、野茂は最もたくましく、最もタフな“競争者”の一人だ」と。
ドジャースのチームメートは、野茂についてよく、「彼が投げる時は勝てると感じる。なぜなら彼は決して投げ出さないし、最後までやり遂げるからね。それに彼の闘争心は、僕たち他の選手にも強く伝わってくるんだ」と口にする。その割には、投手陣の防御率がナ・リーグ3位に対し、打率は同リーグ下から4番目と、情けないドジャース打線であるのだが……。しかし、それに耐える力があるからこそ、どっしりと構えていることができるのであろう。忍耐力は、逆境を耐えしのぐことができた者の中で大きく育まれていくのだ。
野茂は、「100勝する投手は、メジャーリーグの中では何人もいるし、通過点に過ぎない」と言った。しかし「終わったと思った」状態から「彼が投げる時は勝てる」と思わせるほどの信用を得ることは、並大抵の苦労ではないはずだ。
100勝は通過点かも知れない。でも誇りに思う価値は十分にある。その過程では、一般人の私たちには想像できないほどの努力と精神力を費やしたのだから。無論、野茂は、「そんな特別なことではないですよ」と言うのだろうが……。スポナビ
■山脇明子/Akiko Yamawaki 1966年生まれ。大阪府出身。同志社女子大学在学中、同志社大学野球部マネージャー、関西学生野球連盟委員を務める。大学卒業後、日本生命保険相互会社に1年間勤め、フリーアナウンサーに。ABCラジオ「甲子園ハイライト」キャスター、テレビ大阪でサッカー天皇杯のレポーターなどを担当。1995年に渡米し、ロサンゼルス在住。『Tokyo FM』のレポーターを務めながら、フリーライターとして活動。97年から時事通信社米国通信員。現在はロサンゼルスでアナウンサー、タレント養成校も開校している。
05月02日(日)
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