ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[258690hit]
■ 余 録
「時代の風」の執筆者である解剖学者の養老孟司さんは、感想文について、要を得た説明をしていた。「感想文を書くのは、その意味ではよいことだと思う。ゆっくり楽しんで読み、さらに批判的にも読む。そうする事で考えることに習熟出来る。そういう訓練(文章を書く訓練)は自分で出来る以外に誰も与えてくれはしない。それを10年続けられたら、いつのまにか考えることが身についたことがわかるはずである。」(7月24日 毎日から)
私が書いている日々の映像は、社会の出来事に関する1つの捉え方、感想文みたいなものである。1日1枚書くことがいかに勉強になるかを痛切に感じる昨今である。
◇ ◇ ◇ ◇
中国製ダイエット食品が大きな問題になっている。厚生省は薬事法違反でない場合でも医師による被害の確認ができる商品名を順次公表するという。これだけの報道が続けば、よほどの知識のある人でないと、中国製の医薬品とダイエット食品を利用する人はいないだろう。
この問題より大きな問題だと思ったのは、脳梗塞治療剤の副作用で3年で49人も死亡しているとの報道だった。「脳梗塞の治療剤として知られている『塩酸チクロピジン』の副作用で99年7月から3年間49人が死亡していたことが23日分かった」この薬は、脳血管内の血の塊が出来るのを防ぐ効能があるが「重い干渉外などの副作用が生じる」(同)という。よって、この薬を使う場合は、2週間に1回は血液検査をするようにとの緊急の安全情報が99年に流れていたのだ。これが医療現場で守られず死者の減少につながらなかったというから恐ろしい限りだ。
◇ ◇ ◇ ◇
家出人のことは、この日々の映像で初めて記述する。昨年1年間に警察が捜索願いを受理した家出人は「10万2130人」(7月25日 日経から)である。ある日突然娘がいなくなる(未成年女性の受理数1万6111人)あるいは家族を持った成人がいなくなる(30代の家出1173人)関係している家族にとっては大変なことだ。それにしても家出人が10万人を超えているのだから考えさせられる。
◇ ◇ ◇ ◇
警察庁のまとめによると、昨年1年間の自殺者は「3万1042人」(7月25日 日経から)である。前年より少々減少したものの4年連続で3万人の大台を超えている。なかでも「経済・生活問題」が動機と見られる自殺が「6845人」と過去最悪になったという。
都内の精神科医は「自殺者の九割は心の病を抱えており、とりわけ中高年のうつ病は深刻」(同)と指摘している。心の病とはイコール話す相手がいないことだ。
◇ ◇ ◇ ◇
今年4月、新潟市の田沢祐樹君(当時15歳)が、16歳と17歳の少年4人の集団暴行を受けて死亡した。なんとも痛ましい事件だ。この事件の初公判が22日新潟地裁で開かれた。
検察側が明らかにした動機は「暴行を加えて楽しもう」(7月23日 毎日から)というから信じられない。我が子をこのような残酷な暴行事件で失ったご両親の苦しみはいかばかりであろう。心から哀悼の意をささげたい。
加害者4人の親達は、この事件で人生が狂うことになる。民事で被害者の両親から損害賠償の訴訟がある。いったい、加害者の少年達の親達は、どのような目線で子供を育ててきたのだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
鈴木宗男議員の事件の広がりは、どこまで行くのか見当がつかない。どれだけ闇の資金を動かしたのか。政治資金収支報告書にウソの記載をしたとして秘書3人が逮捕された。
報道によれば、1臆数千万円の収支を記載しなかったのだ。しかし、これはまだ予測の範囲内かも知れない。全く予想外の報道は、国後島の工事をめぐって、三井物産が丸紅などに談合協力金を7000万円も支出したことだ。これほどの入札妨害の事件はないだろう。これがどのような波紋となって広がっていくのか計り知れない。
07月31日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る