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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 日本国破産 日本は官制経済国家
 わが国では、税金の使い方や配分には血道をあげるが、その金がどう使われたか、つまり、決算にはほとんど無関心である。
 すなわち、わが国の決算は21世紀になったというのにまだ平成9年までしかおこなわれていない。平成10年度分の委員会審議は、ついに平成14年に持ち越しというありさまだ。つまり決算しなくても予算が組める。決算の結果が予算に影響を及ぼさない国会では4年前の決算が行われなくても何ら不都合はない(!)というのがわが国の現状なのである。
 国の決算がおざなりにされている理由はただ一つ、税金の本当の使途を国民に知らせることができないからなのである。
 これにはさまざまな要因があるが、根本はわが国の財政制度に問題があるのだ。わが国の財政制度は行政権力による"事業"展開の体系として各省庁が所管する「特別会計」を軸に構成される。その中で歳出については大半が「補助金」であり、それは行政権限による配分の形で決められる。
 年間予算260兆円のうち「一般予算」として提出されるのは80兆円であり、それも大半は特別会計に繰り入れられ、省庁による箇所付けに付されるため、予算は事実上、決して憲法の定めるように国会で決められているとはいえないのである。
 国会で決めるのは単に抽象的な「予算」に過ぎない。「予算」支出の中身は省庁(官僚)が与党の指示や族議員の意向などを考慮して決めるのである。
 いったん特会のトンネルをくぐった公共事業費、社会保障費などは、大部分が補助金の形で地方公共団体や特殊法人、公益法人などを通して業者へと流れていく。それらの経路はすべてにおいて政治家とつながっており、金の流れは本流から傍流へ、傍流から支流へと消え去っていく。
 なお、特会を通らない補助金もあり、これは各省庁から直接に特殊法人、公益法人、業界団体へと配られる。一部は直接業者に行くが、いずれも政治献金と天下りがつきものであることに変わりはない。
 「特別会計」が裏予算であり財政の黒幕であるとすれば、「財政投融資計画」はその裏予算を支える"闇予算"である。国ぐるみの投資事業(=行政ビジネス)のために大量の資金を供給する"胴元"といってよい。先進諸国には例のない特異な制度であるとともに、日本の"歪み"の根本でもある。
 財投は特別会計とともに多くの特殊法人などの官企業と相互に不離一体の関係にあって政官業の一大利権体制の主な資金源となっている。しかも、特別会計と財投は、国家予算であるにもかかわらず、省庁の裁量で動くのが特徴である。
 財投の原資となるのは、国民の税金の一部のほか、郵便貯金や簡易保険、さらには厚生・国民年金の積立金などである。それら「国民の積立金」はいったん大蔵省の資金運用部(会計上の名称で、そういう組織があるのではない。平成13年度から財政融資資金に名称が変わった)に繰り入れられる。その資金を社会資本の整備などのために「投融資」するというのが、教科書的な財投の定義である。
 「財政投融資計画」は平成12年度までは国会にもかけられなかった。13年度からはじめてその大枠が国会に提出され審議・議決を受けるようになった。しかし、財投は投資・運用(公会計と国家財政法になじまない)であるために決して予算とはいわない。しかも、実際には長期の投資・運用計画であるにもかかわらず、当該年度分しか議決できないという矛盾した姿になっている。
 「財投」資金の"貸し出し先"は、「政策目的」の名分で社会資本整備、住宅対策、地域活性化、中小企業対策、国際協力などを行う機関である。
 各年度の財政投融資計画は、各機関における具体的な金の使途が示されないきわめて抽象的かつ模糊としたものである。莫大な国民の金を使う特殊法人や特殊会社の予算などの財務内容も出されなければ、それらの機関に例外なく巣喰う天下り役員の給与なども公表されない。
 「財投」資金は「政策目的に使う、ということであるが、これは詭弁である。「財投」の当初の目的はきわめて限られた、国民生活に欠かせない基本的社会整備としての鉄道や少数の港と空港、国道、電力基盤などで、その財政規模もきわめて限定的なものであった。

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01月08日(月)
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