ID:19318
13匹目のバナナフィッシュ
by サキ
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■茉莉花--【アンドロイドは源氏絵巻の夢を見るか】三ノ宮
 もちろん、この従者が答えるはずがない。それはいい。これは自分に与えられた試練なのだから。


「ご苦労だった。下がってくれ。明日、この茶の礼は三ノ宮殿にお伝えしなければな」


 ぴくり、とサクの眉が動くのを、ゲンコウは見逃せなかった。


「いや、すまぬ。サク、お前にも礼を言わねばなるまいな。なかなかの茶である。まこと心が安らぐようだ。ありがとう」


 とんでもございません、と神妙に頭を下げたサクだったが、再び目線を上げた時、その瞳は微笑んでいた。


「おやすみなさいませ」
「おやすみ」


 従者が下がり、やがて障子から漏れる灯りが小さくなった。十一の月の末。緑の星の若き春宮ゲンコウの心の中。とあるリストからひとつの名前が消されることとなった。

01月18日(金)
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