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13匹目のバナナフィッシュ
by サキ
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■【版権】【ボカロ】ロミオとシンデレラ【R15】
放課後の帰り道。日曜日の公園。革の匂いのする車。二十六時の毛布。会えば会うだけ、触れれば触れるだけ、わたしの中はあなたでいっぱいになっていく。わたしの中はあなたで満ちて、溢れるほどなのに、それなのに、もっともっとと求めてしまう。どうして? わからない。全部あなたなのに。全部あなたで満ち溢れているのに、あなたのことだけ満ち足りない。あなたはこんなわたしをどう思っている? 貪欲で、どうしようもないと思っている? 会える時間だけ幸せなのに、もっと長い時間が欲しい。もっとたくさんの幸せが欲しい。あぁ、このままじゃ、わたしはあなたに嫌われてしまう。飽きられてしまう!
「ねぇシンデレラ、ハッピーエンドの御伽噺の主人公の、特性を知っている?」
つつましやかで、無欲なこと? 答えながら、わたしは泣き出しそうになる。あぁ、ついにこうなるの。わたしはこの物語から引き摺り落とされる。
「半分正解。半分不正解。それは物語の前半だ。そんなに震えないで、シンデレラ。思い出してごらん、自分の物語を。ようく、ようく、思い出して」
お城の従者がシンデレラのお家にやってきたとき、姉姫たちの後に続いて、シンデレラは自ら靴を履きに進み出た。白雪姫は自分の食欲に忠実に、魔女の林檎を口にした。ラプンツェルは魔女の忠告を破って王子を愛し、茨の姫は王様たちの努力空しく自ら糸巻車に手をかけた。それでも最後はどうなった? ハッピーエンド、めでたしめでたし。お姫様は王子様と、いつまでもいつまでも、幸せに幸せに、暮らしましたとさ。
「だから俺のお姫様。そういうことだよ。安心おしよ。あぁ、なんでどうして涙を流す? きみの泣き顔も大好きだけれど、きみの笑顔が一番かわいい。ほらほら、いつもみたいに、さぁ、求めて。いつかきみを、完全に攫いに行くよ。はは、ちょっと遠回し過ぎたかな。これって、つまり、プロポーズ予告、なんだけど」
魔法使いのお婆さん。わたしはここに。わたしの幸せは今ここに。これでいいのね? お婆さん。王子様の言質をとった。
ロミオよロミオ、わたしの名前を捨てさせてくれるのね? あなたの隣にいさせてくれるのね? 幸福な、わたしたち。幸福な、満月。幸福な、誓い。あなたはわたしの手を取った。
ねぇママ、ねぇパパ、今日もあのご本を読んで。お姫様が幸せになるあのお話。本当は何度もせがんだ。本当は憧れていた。本当は信じていた。だって、ねぇ、わたしだって、お姫様なんだもの――。
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原曲:ロミオとシンデレラ
作詞・作曲:doriko様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6666016
03月21日(月)
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