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ひぽこんコラム
by 和田
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■ボツの墓場その1
 年末年始在庫一掃処分…じゃないっすが。オレの今年のボツ原稿をここに墓場のように残しておきましょう♪

  最近、保険会社のTV−CMがやたら目に付く。
 以前だったら、インスタント・ラーメンをのんきにすすってるCMとか、シュワ〜っとさわやか清涼飲料水のCMとか、カメラ目線のお姉さんが澄ましてる化粧品のCMとか、ノホホンとした、日常の延長そのもののCMが1番多く目についたのに、どうだろ? ここんところ日常から離れた、「いざ!ってときのために」な保険のCMばっかりが、特に昼間〜夕方くらいの時間滞に多く流れてる気がする。
 しかもその多くが外資系の会社のもので、どれもがやれドカ〜ンと任せろ!だの、ガツンと安心!だの、これさえあれば!だの、あなたでも大丈夫!だの、そんなのばかり。商品名もアピールの方法も外人らしい、ストレートさ。かつて保険の商品名って言ったら、「ひまわり」とか「コスモス」みたいな可憐なお花系や、もっとおしとやかなものだったのに、今やそんなウルウル乙女チックな、遠まわしなこたぁ言わない。分かりやすく、まっすぐ、ドぎつく、ドカ〜ン! そしてしつこいほど、大丈夫大丈夫大丈夫、ってまくしたてる。とにかくこれにさえ入ってれば、もう万万歳なわけですよ〜!ワハハハハってな調子だ。
 しかし敵もさるもの(えっ、敵?)。そのまくしたてをカモフラージュするかのように、実際にCMに出てくる俳優とか女優の芝居は、自然体風。
「ちょっとあのね…」
 と、顎に手をやりながら(←いや、実際には手やってないけど)、何気な〜く語りかけてきます調が目立ち、有名な俳優とか出てこないものでも、
「私、これで助かっちゃったんですよぉ」
 と、ニッコリ笑顔の体験談調。これも赤の他人のくせに、親しげに語りかけてくる。
 正直、滅茶苦茶どれも白々しいことこのうえないのだけど、
「そんな白々しさなんて十分承知ですが、それでもやるんです!」
 みたいな自信さえ画面からは伺える。きっとギャラをたっぷりもらって、彼らは誰よりも安心満足なんだろう。
「白白しい? ふっ、それがなんだっていうんですか? 私は安心してるんですから。ふふふふっ」
 に決まってる。あぁ、いやだいやだ。そんなこと想像すると、大好きな清水ミチ子が
「私の保険があなたにも合うとは限らないじゃない?」
 なんて言って登場したのには、けっこうガク〜ッときた。おいおい、こんなんに出ないでよ〜って、うなだれてしまった。
 思えば、こういう保険のTV−CM、あのリンリリリンッ♪と電話のベル音が鳴るアメリカの保険会社のCMあたりから、目につくようになった。むろんその頃に保険のCMが解禁になったんだろうけど、あのリンリリリンッ♪はかなり耳についたし、外資っぽい、いかにもメイド・イン・アメリカ調の色合いやムードで、外国=オシャレ感みたいのを醸し出すのに成功して、あの会社の知名度を一気にあげ、ブランド・イメージを確率したんだよねぇ。
 それで保険会社は、これからはTV−CMこそが大切!って思ったのかな。昔みたいな、オバちゃんがいきなりピンポーンってお宅訪問外交商売なんての、もう、今みたいに「知らない人にはドア開けませんですのよ」の時代にはそぐわないし。
 しかしこの保険会社CMの大洪水。安心安心安心と連呼しながらも、逆に見る人の不安を呼び起こしてやしないか? なんか、そればっかりこうも出てくると、私は見るたびに
「そっかぁ、普通の大人はこうやって備えておくもんなんだなぁ」
 と、“備え”にまで及ばない己の乏しい経済状況を思って、ちょっとかなり遠い目になる。そして病気になって途方に暮れてる自分まで想像しては、
「やばいよなぁやばいよなぁ」
 と、どうにもならない“やばいよアリ地獄”へと陥っていくのだ。日頃は忘れるようにしてる、“この先の不安”をはっきりと自覚させられ、本当〜にもう、困る。困り果てる。
 しかし思うに。これこそが保険会社CMの狙いそのものなんだろう。大丈夫大丈夫大丈夫って連呼することで、逆に人に
「あら、私は大丈夫かしら?」
 と、疑問に思わせ、
「入らなかったらヤバいんとちゃうか?」

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12月28日(水)
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